たとえ何年かかろうとも

全部読みました!!

冒頭は結構とんちきなノリでサクサク進むんですが、後半になるにつれ人々の置かれている境遇の複雑さ、困難さを見せつけられ並のチートではどうしようもできない多種多様な問題をまざまざと見せつけられることになります。

一般的なラノベでは商業チートや知識なんかで解決するような展開もあったりするかもですが、本作では農業や食糧問題を基礎として、国際情勢や人種問題、政策主張の相違などが複雑に絡み合っており、凄まじいチートスキルを持つ主人公のラリサでも全てを解決することは不可能でした。

それでもラリサは諦めず、最後まで自分に出来ることをやり続けます。本作がとてつもなく八方ふさがりの状況を見せつつも、そこに射し込む光を失わないのはひとえにこのラリサのひたむきさにあると感じました。

そういえば、俺も歴史は結構好きなんですが、最近わかってきた歴史的な事柄の中に、「豊かな土壌や商業のあった地域では戦争や争いが少なかったっぽい」というのがあるんですよね。たとえばインカよりも古い南米だったりとか、縄文時代の日本もその地域として有名です。

かつて、中国で伝えられていた人が飢えることなく、水が豊かでいくらでも作物が収穫できる場所、桃源郷がどこかにあるといいう話。当時の人にって、それは結構ガチで日本のことだったんじゃないかなと思ってます。実際、大陸に比べたらむちゃくちゃ絶滅戦争少ないですからね。

そんな日本にこうして生まれ、不自由なく暮らしていける喜びを噛みしめ、今日も野菜を食おうと思います!!!

ありがとうございました!!