物語は、今まさに自殺しようとしている登場人物達の前に、神であるゼルが現れ、自分の寿命と引き換えにお金を引き出せるソウルカードを手にすることから始まりす。
登場人物達はソウルカードを手にし、それぞれの人生を振り返りながら、これからどうしていきたいかを考える事になりますが……。
それぞれの登場人物達の想いや情景が巧みに表現された文章で、読む人の心を掴む作品です。美しい自然描写や丁寧な背景など物語は作り込まれており、登場人物達に思わず感情移入してしまう程、様々な試練が待ち受けています。
この作品を読みながら、自分ならどうするか?どう試練に向き合うか?を考える機会となりました。
とてもおすすめの作品です。
神から齎された寿命を金額に変えるカード、『ソウル・カード』──。この物語はソウル・カードを与えられた者達の行動を辿るフレームストーリー型の物語です。
人間と金は切っても切れない関係であり、その因果に翻弄されるのが常……。当人が望むと望まざるとにかかわらず必ず人生に絡んでくる。物語の登場人物はそんな風に人生を狂わされた人達……。
ソウルカードを与えられた者達の過去とその結末を描いているのですが、これが本当に深い……。お金こそ題材になっていますが、この作品の本当の題材は『人の生きる意味とは?』です。
どんな環境にあろうと選択するのは人間……流されるままも、変えようとするのも結局は自分の選択でしかない。
作中登場する人達の運命はリアルそのもの……だからこそ作品から問われている気がして考えてしまう。人が困難の中で生きる意味を。
バッドエンド、ハッピーエンド、章ごとに変化する大人寄りのヒューマンドラマ現代ファンタジー。大人なら是非とも読んで欲しい傑作です!
タイトルが示す通り、命の価値を問うヒューマンドラマです。
命を投げ出そうとする者に翼を纏った神、ゼルが現れて人生をやり直すことが出来るアイテム『ソウル・カード』を渡します。それは寿命を失う代わりにお金を引き出すことが出来る代物でした。渡された者は果たしてどういった使い方をするのか。そしてゼルはそれを傍観し、何を思うのか…。
深いテーマ性で命の価値、生きる意味を問います。話を惹きつける仕掛けや、わかりやすい設定はフックが効いていて、ついつい物語に引き込まれてしまいます。
キャラクターの掘り下げも深く、息づいている感じが十分に伝わります。内面の心理描写も丁寧でキャラクターに感情を傾けることでしょう。
人生について考えさせる現代ファンタジードラマ。巧みなストーリーテリングに、刮目してください!