モスキート

作者 恵喜どうこ

83

28人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

モスキートというタイトルから察することができるように、物語は、蚊に関係した場面からはじまります。
その場面を見るは、主人公である産婦人科医の田口道子。
彼女そしてその患者である金沢萌との複雑な関係を、物語を追うに連れて私たちは知り、理解していきます。
最後に出会うその結末にあなたはなにを感じ、考えるでしょうか。

少々グロテスクな描写があるので苦手な方は注意が必要ですが、短編として、非常に満足感の得られるものであることは間違いありません。
ぜひ、モスキートというタイトルの真実を最後まで追ってください。

続きの長編も楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

小説は滅多に読まないので感想を書くのも恐縮ですが、
面白かったのでレビュー書かせて頂きます!
夜中に一気に全部読んでしまいました。
読んでいる途中、豆電球だけの暗い部屋を見渡すのが怖くて
無意識に布団の中にくるまって読んでいました。
表現の仕方がリアルで、読んでいてお腹の辺りが
ゾクッとしたり貧血のような感覚になりました。
多分すごい顔して読んでいたと思います。

久々にホラー系の作品を見たら、またホラー熱が再熱して
ネフリなどでいろんな映画を見ています笑
きっかけをありがとうございます!

この小説も、いろんな真相が気になります!
長編楽しみ!応援しています!

★★★ Excellent!!!

好きこのんで蚊を家に入れる者はいない。血を吸われるのは嫌だし、痒いし、鬱陶しいし。
しかし奴らはあの手この手で入り込もうとする。一瞬だけ開けた扉から、ほんの僅かな窓の隙間から。
ときどき、人間にもこういう者がいるのだ。親切心、ほんの少しの弱み、そういった「心の隙間」をこじ開けて、奴らは我々のテリトリーに遠慮なく入り込む。そして大切なものを次々に奪っていく。

異常心理が巻き起こす恐怖を、蚊に仮託して描いたサスペンス。
妊婦、産婦人科といった一見喜ばしい要素がたくさん登場するのに、なぜだか不吉で嫌悪感を催させる手腕がすばらしい。

怪物と戦う者は怪物になるしかない。
蚊を思い切り叩きつぶした手の平。そこが真っ赤な血でべっとり濡れていることに気づいたとき、人の心は音をたてて破裂するのだ。

★★★ Excellent!!!

産婦人科医の主人公に、臨月を迎えた友人という設定だけみれば、女性の友情・未来と想像しそうですがジャンルは「ホラー」。ほのぼの展開なんてナシ!―― 

人の弱い部分や醜悪な部分がていねいに描写された物語には、現代社会のどこかでひっそりと進行していそうな生々しさがあります。
現実味がありすぎて、読み終わっても後を引く「これぞホラー!」という秀作です。

★★★ Excellent!!!

不気味さ故に続きが気になり、最後まであっという間に読んでしまいました。
産婦人科医という場所が出てきますが、そこに希望は一切感じられません。
むしろ、病院が舞台であることならではの暗い雰囲気と、悲しさがより強調されています。
また、登場するキャラクターは全員が別々の方向を向いており、それが物語に深みを増し引き込まれていく要因になっています。
 その個性的なキャラクター達がそれぞれ決断する答えの先がこれからどうなるのか?予想もできません。
これまで何があったのかも謎に包まれています…それぞれの考えを理解や肯定できない故に謎が深まります。
ミステリーでありホラーである上質な作品です。これから続く長編作品を楽しみにしております。

★★★ Excellent!!!

 上質のホラーには、湿気が漂うものだ。
 それが、パニック物とは類を異にするジャパニーズテイストのホラーならば、尚のこと、ぬめりを帯びた湿気をまとわりつけてくる。
 やはり、水と血は欠かせない描写だ。

 タイトルでもあるモスキート――――寄生し、吸血され、病原体を媒介する蚊をモチーフとした表現は、グロテスクでもあるし、ファンタスティックでもある。

 弱者の脅迫、という立場からの、抗えないしがらみに囚われていく主人公『田口道子』。
 人として医師として道を外れてしまった道子の追い詰められていく狂気から、芽吹き、花開くかのように凄惨な殺意のシーンは、パニックムービーにも引けを取らないショッキングさ。

 感情移入しながら読むタイプの私としては、なかなかくる絶望感であった。

 不快で不可解な主要登場人物たち、その謎や今後は残されたまま。
 プロローグとしても、ひとつの作品としても結ばれており。『成滝律』なる新たな登場人物によって、次エピソードの長編への媒介となっている。

 肌をざわつかせ、鼓膜に残響する余韻――モスキート音――もまた、上質のホラーには漂うものだ。

★★★ Excellent!!!

いるんですよね、こういう人。
被害者面して計算高く動き回り、何でも自分の物にしている女。
自分の利益最優先で他人のことはどうでもいい、そのくせ自分が相手の立場になると掌返したようにそれまでの主張を覆す男。
相手がそういうヤツらだとわかっているのに切り捨てられない、その自分の弱さに全く気付かないまま「逃げられない相手っているんだ」と言って切り捨てない女。

どれもこれも共依存の一つの形態じゃないかと思う。
だけど誰一人それを意識してない。

気持ち悪い。
主人公を脅かす連中も相当気持ち悪いけど、主人公も気持ち悪い。
全部人のせいにしている主人公が一番嫌いかもしれない。
こうも徹底的に気持ち悪い連中が揃うと、続きが楽しみで楽しみで仕方ない。

グロ注意と言われていたけれど、さほどグロくも無く、どちらかというと人間の在り方や思考がグロく感じる。そういう意味で本当に秀逸。

たったの3万だからすぐに読めちゃう。
そして続きが気になって仕方ない。
3万のプロローグからの壮大なホラーミステリーを今から楽しみに待ってます!

★★★ Excellent!!!

ホラージャンルに入っているし、スプラッタ要素もあると聞いていたので、恐いのと痛いのが苦手な私は読む気になれないでいた。
でもかなりの自信作で、「ホラー嫌いは読み飛ばしても良いから見て欲しい」との作者のtweetを見て、好奇心が抑えられなくなった。
結果。
一気読みである。
確かにホラー・スプラッタ要素があるが地の文が整っていて読みやすく、変に狙っていないので、私がよく感じる「美術品のようだ」と思えた。
高価な額縁に入って格式ある美術館に飾ってある裸婦画がいやらしく感じないのと同じように、気分を悪くすることもなく物語に没入できた。
もちろん、「ここの表現がゾクゾクしてたまらない!」というホラーファンの方もいらっしゃるだろうが、私はこれを芸術品として鑑賞させて貰った。
一体誰が、あるいは全員が、サイコパスなのだろうか?
先が気になる引っ張り方もうまい。
何が言いたいかと言うと、とてもとても、面白かった!!!(語彙力よw)
※縦書きで背景色を黒にすると、雰囲気が出て良い感じです。

★★★ Excellent!!!

他人に寄生する女。ずる賢く人の庇護欲や善意を引き出して、相手を乗っ取っていく女。周りの人間を騙すことでターゲットを孤立させ、自分から逃げられなくしていく女。

作者はそんな登場人物を『蚊・モスキート』になぞらえた。
血を吸うのは蚊のメスだけだ。蚊のメスは一生に数回子供を産む。主人公は何人目だったのだろう。

この話は長編の上巻だ。
今後、事件の真相が解き明かされ、登場人物の今後が示されるのだろう。
構成が巧みで、一気に読み進められる。とにかく巧い。
そして、多くの謎が残されたまま話は終わっている。
ホラーであり、ミステリー、現代ドラマでもあるこの小説は、今も影から獲物を狙っている『蚊』のように、まとわりつかれるまで気づけない魔性の女の話だ。

こんな女いるよね。私はそう思った。事実、こんな女に振り回されたことがある。
上手に上手にそれは近づいてくるのだ。蚊のように血を吸っていることを気づかれないようにして。気づいた時にはたっぷりと血を吸われ、ずっと嫌な痒みが残り、掻きむしった傷が残る。
叩き潰したい。自分から吸い取られた血で手が汚れたとしても。
主人公がそう思った気持ちは分からないでもない。

上質な心理劇。謎に満ちた血の池にようこそ。
完結編が楽しみだ。

★★★ Excellent!!!

道子の築いてきた人生を、モスキートのように吸いつくした女、萌。縁を切りたくとも、産科医と患者の関係では離れることもできない。
そこに現れる、萌の過去を知る女性。彼女の登場で、不安定ながらもつり合っていた人間関係が破綻したとき、道子はある決意をする。

物語全体を通してどことなく漂う不安感が、ストーリーと上手く絡まって、何気ないシーンでも何か起こりそうな緊張感のある物語でした。
毎回公開されるたびに追いかけ、つぎはどうなるんだろう? という具合に期待を持たされます。
今は全編公開済みなので、物語に引き込まれて、気がついたらラストまで一気に読んでしまえるでしょう。
道子が徐々に追い込まれ、最後に取ってしまう行動は、ある意味そうせざるを得ないものだったと思います。

ここでは回収し切れていない謎がいくつかありますが、作者様は続きを長編という形で発表されるとのこと。
今から楽しみです。

超常現象に悩まされるような話ではなく、不安定な人間関係が語られるタイプのストーリーですので、ホラーが苦手な方でも読めます。
冒頭の夢で「怖い」と思っても、飽くまでも夢なので、その辺りは心配せずに、ぜひ続きを読んでください。

余談ですが、作者様も仰っていますように、縦書き表示で読む事をお勧めします。

★★★ Excellent!!!

私はド素人なので 文章テクニックなど細かいところは分かりませんが とにかく読みやすい ストーリーがスコンスコン入ってくるのであっという間に惹き込まれました ミステリーが大好きな私ですがホラーは苦手ですので読む前は多少躊躇しましたが 多少の残酷描写はあったものの想定内ホラーで この作品は私の中でのジャンル分けではミステリー 忖度なしでムチャクチャ面白かったです 乙一さんのジャンル分け不能な どの短編よりも この『モスキート』は遥かに好きです 作者様曰くこの作品を長編にされるという事なのでスゴぉく楽しみにしてます