小説は滅多に読まないので感想を書くのも恐縮ですが、
面白かったのでレビュー書かせて頂きます!
夜中に一気に全部読んでしまいました。
読んでいる途中、豆電球だけの暗い部屋を見渡すのが怖くて
無意識に布団の中にくるまって読んでいました。
表現の仕方がリアルで、読んでいてお腹の辺りが
ゾクッとしたり貧血のような感覚になりました。
多分すごい顔して読んでいたと思います。
久々にホラー系の作品を見たら、またホラー熱が再熱して
ネフリなどでいろんな映画を見ています笑
きっかけをありがとうございます!
この小説も、いろんな真相が気になります!
長編楽しみ!応援しています!
好きこのんで蚊を家に入れる者はいない。血を吸われるのは嫌だし、痒いし、鬱陶しいし。
しかし奴らはあの手この手で入り込もうとする。一瞬だけ開けた扉から、ほんの僅かな窓の隙間から。
ときどき、人間にもこういう者がいるのだ。親切心、ほんの少しの弱み、そういった「心の隙間」をこじ開けて、奴らは我々のテリトリーに遠慮なく入り込む。そして大切なものを次々に奪っていく。
異常心理が巻き起こす恐怖を、蚊に仮託して描いたサスペンス。
妊婦、産婦人科といった一見喜ばしい要素がたくさん登場するのに、なぜだか不吉で嫌悪感を催させる手腕がすばらしい。
怪物と戦う者は怪物になるしかない。
蚊を思い切り叩きつぶした手の平。そこが真っ赤な血でべっとり濡れていることに気づいたとき、人の心は音をたてて破裂するのだ。
不気味さ故に続きが気になり、最後まであっという間に読んでしまいました。
産婦人科医という場所が出てきますが、そこに希望は一切感じられません。
むしろ、病院が舞台であることならではの暗い雰囲気と、悲しさがより強調されています。
また、登場するキャラクターは全員が別々の方向を向いており、それが物語に深みを増し引き込まれていく要因になっています。
その個性的なキャラクター達がそれぞれ決断する答えの先がこれからどうなるのか?予想もできません。
これまで何があったのかも謎に包まれています…それぞれの考えを理解や肯定できない故に謎が深まります。
ミステリーでありホラーである上質な作品です。これから続く長編作品を楽しみにしております。
上質のホラーには、湿気が漂うものだ。
それが、パニック物とは類を異にするジャパニーズテイストのホラーならば、尚のこと、ぬめりを帯びた湿気をまとわりつけてくる。
やはり、水と血は欠かせない描写だ。
タイトルでもあるモスキート――――寄生し、吸血され、病原体を媒介する蚊をモチーフとした表現は、グロテスクでもあるし、ファンタスティックでもある。
弱者の脅迫、という立場からの、抗えないしがらみに囚われていく主人公『田口道子』。
人として医師として道を外れてしまった道子の追い詰められていく狂気から、芽吹き、花開くかのように凄惨な殺意のシーンは、パニックムービーにも引けを取らないショッキングさ。
感情移入しながら読むタイプの私としては、なかなかくる絶望感であった。
不快で不可解な主要登場人物たち、その謎や今後は残されたまま。
プロローグとしても、ひとつの作品としても結ばれており。『成滝律』なる新たな登場人物によって、次エピソードの長編への媒介となっている。
肌をざわつかせ、鼓膜に残響する余韻――モスキート音――もまた、上質のホラーには漂うものだ。
いるんですよね、こういう人。
被害者面して計算高く動き回り、何でも自分の物にしている女。
自分の利益最優先で他人のことはどうでもいい、そのくせ自分が相手の立場になると掌返したようにそれまでの主張を覆す男。
相手がそういうヤツらだとわかっているのに切り捨てられない、その自分の弱さに全く気付かないまま「逃げられない相手っているんだ」と言って切り捨てない女。
どれもこれも共依存の一つの形態じゃないかと思う。
だけど誰一人それを意識してない。
気持ち悪い。
主人公を脅かす連中も相当気持ち悪いけど、主人公も気持ち悪い。
全部人のせいにしている主人公が一番嫌いかもしれない。
こうも徹底的に気持ち悪い連中が揃うと、続きが楽しみで楽しみで仕方ない。
グロ注意と言われていたけれど、さほどグロくも無く、どちらかというと人間の在り方や思考がグロく感じる。そういう意味で本当に秀逸。
たったの3万だからすぐに読めちゃう。
そして続きが気になって仕方ない。
3万のプロローグからの壮大なホラーミステリーを今から楽しみに待ってます!
ホラージャンルに入っているし、スプラッタ要素もあると聞いていたので、恐いのと痛いのが苦手な私は読む気になれないでいた。
でもかなりの自信作で、「ホラー嫌いは読み飛ばしても良いから見て欲しい」との作者のtweetを見て、好奇心が抑えられなくなった。
結果。
一気読みである。
確かにホラー・スプラッタ要素があるが地の文が整っていて読みやすく、変に狙っていないので、私がよく感じる「美術品のようだ」と思えた。
高価な額縁に入って格式ある美術館に飾ってある裸婦画がいやらしく感じないのと同じように、気分を悪くすることもなく物語に没入できた。
もちろん、「ここの表現がゾクゾクしてたまらない!」というホラーファンの方もいらっしゃるだろうが、私はこれを芸術品として鑑賞させて貰った。
一体誰が、あるいは全員が、サイコパスなのだろうか?
先が気になる引っ張り方もうまい。
何が言いたいかと言うと、とてもとても、面白かった!!!(語彙力よw)
※縦書きで背景色を黒にすると、雰囲気が出て良い感じです。
道子の築いてきた人生を、モスキートのように吸いつくした女、萌。縁を切りたくとも、産科医と患者の関係では離れることもできない。
そこに現れる、萌の過去を知る女性。彼女の登場で、不安定ながらもつり合っていた人間関係が破綻したとき、道子はある決意をする。
物語全体を通してどことなく漂う不安感が、ストーリーと上手く絡まって、何気ないシーンでも何か起こりそうな緊張感のある物語でした。
毎回公開されるたびに追いかけ、つぎはどうなるんだろう? という具合に期待を持たされます。
今は全編公開済みなので、物語に引き込まれて、気がついたらラストまで一気に読んでしまえるでしょう。
道子が徐々に追い込まれ、最後に取ってしまう行動は、ある意味そうせざるを得ないものだったと思います。
ここでは回収し切れていない謎がいくつかありますが、作者様は続きを長編という形で発表されるとのこと。
今から楽しみです。
超常現象に悩まされるような話ではなく、不安定な人間関係が語られるタイプのストーリーですので、ホラーが苦手な方でも読めます。
冒頭の夢で「怖い」と思っても、飽くまでも夢なので、その辺りは心配せずに、ぜひ続きを読んでください。
余談ですが、作者様も仰っていますように、縦書き表示で読む事をお勧めします。