最終話 わたし、明日から学校だよ。
目が覚めて六日がたった。
わたしは、
もう、完全に元気だから、明日から学校に行く予定だ。
(念の為、体育はしばらく休むよ)
あと
よかった。よーかったーー!
あ、でも、最初は保健室登校からだって。
油断しちゃうと、うっかり灰色の耳とヒゲが出ちゃうから。
考え事をしても、灰色の耳とヒゲが出なくなるようになるまで、保健室で練習をするんだって。
(もしも、灰色の耳とヒゲを保険の
わたしは、おふろに入った。そしておふろの鏡をみた。左のムネの傷あとを見た。
ちっちゃいと思っていたけど、あらためて鏡でみると、結構目立つ傷だった。
でもね。
(どうやってわたしの体の中に入ったんだろう?)
(………………………………)
「オルカを失った僕は……もう……ミコ様のナイトの資格はありません……」
ってションボリしていた。ションボリしすぎて、アメリカのマサチューセッツ工科大学を卒業した時にスカウトしてもらった企業に転職しようか……って本気で考えていたみたい。
(………………………………)
でもね。
「
ボクは無理だし、
たしかに。
「
もっとしっかりしてよね♪」
(……………ミ…………………)
あれ?
わたしのこと、誰かよんだ?
さっきから、ずっとだれかによばれてない??
(…………ミ……さ…………)
よんだよね!?
だれだろう? どこかで聞いたことがある声……そっか!
(…………ミ……コ……さ…………)
わたしは「ピーン」ときた。
だからね、よんでみた。
「Hey! オルカ!」
(なんでしょう。ミコ様)
わたしの頭に、聞きなれた音声合成の声が聞こえた。
「本当にオルカ!? 相生くんのそばでフワフワういていた、蛍光カラーのイルカ?」
(ようやくきづいてくれましたか?
ずっとミコ様にかたりかけていたのですが……)
「よかった! よーかったーー!」
わたしはさけんだ。うれしかった。うれしかったから、すぐにみんなに教えようと思った。大急ぎで、みんながいるリビングに行った。
「みんな! イルカのオルカは生きてるよ! わたしの中で生きてるよ!!」
あれ?
みんな喜ぶかとおもったのに、ぜんぜんちがった。
そして、風水くんは怒っていた。すっごくおこっていた。怒っていた。
「ミコちゃん、はしたないよ!!」
って、わたしの前にたちはだかって「バッ」と大きく手を広げた。でもって、
「あんたたちもジロジロ見ない!!」
って、
わたしは、あわてておふろにもどった。
(ミコ様、行動はくれぐれもしんちょうに。うかつな行動はつつしんでください)
わたしは、蛍光カラーのイルカのオルカに怒られた。
(そもそも、わたしがミコ様の心臓と同化したのは、ミコ様がうかつな単独行動をしたからです。本当に本当にうかつな行動はだけはつつしんでください)
わたしは、蛍光カラーのイルカのオルカに怒られた。
「……ごめんなさい」
(あと、わたしを今後、〝イルカ〟と呼ぶのは絶対にやめてください。
心の中で思うのも、ぜっっっっっっっっっっっっっっっったいにやめてください)
わたしは、意味がわからなかった。ちょっと何言ってるかわからなかった。
だからね、思っていることをそのまま聞いた。
「え? どういうこと?」
(わたしは、シャチです! シャチを英語で〝オルカ〟と言います。
わたしは、だんじて〝イルカ〟ではありません! シャチなのです!!
そこのところ、よろしくおねがいします!!!)
わたしは、顔が真っ赤になった。
そしてね、思っていることをそのまま言った。
「え? そういうこと!?」
巫女のナイトは三種の神器 おしまい
巫女のナイトは三種の神器 かなたろー @kanataro_
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