清潔感のある不気味さ

「みんな違ってみんないい」とは言うけれど、「違うからこそ感じる惨めさ」は時に人を傷つける…。でも、もし「みんな違わなかったらどうなるか?」と考えた時、心の奥がざわっと冷えるような気がします。

本作はまさにその、ざわっとした冷たさを感じるお話です。だけど、何もかもが整っていて清潔、整然と整頓された世界観を思わせます。
それがクセになった頃、物語は結末を迎えるわけですが…。不思議なことに、このお話を読んだ“感覚”は、読み終えた今でも消えることがありません。