気難しい小説家の青年に仕えることになったメイド
- ★★★ Excellent!!!
ヴィクトリア朝ロンドンあたりが舞台でしょうか。好みの設定です!
元の主人である優しい老人の孫、小説家の青年・ウェズリーに仕えることになったメイドのリタが主人公のミステリー。
キーとなるのは、リタの元の雇用主で、ウェズリーの祖父でもあるデイヴィッドが不審な死を遂げた事件。
デイヴィッドに恩義を感じているリタは、残された手紙と謎のカギを持ってウェズリーの元に向かうも、ウェズリーとデイヴッィドの間には深い溝が……。
事件の謎が少しずつ解かれていく様もそうですが、
サイアクな出会い方をした二人が事件を通して少しずつ絆を深めていく過程が、とにかくもう、ものすごくよかったです!!
まっすぐなリタと関わり、ウェズリーがツンデレっぽくなっているのが特に◎
ウェズリーは小説家なので、リタが自分の作品を面白いと言ってくれた時、きっとものすごくうれしかったんだろうなぁ。
私は読みながらいろいろと推理するタイプなんですが、ことごとく外れていました(笑)。
まず、犯人は担当編集のカッレ氏だと思っておりました。
やたらと妻を連呼していたけど、本当はいないんじゃないか……みたいな。
犯人候補の次点はジェシカです。ヴェルニコと見せかけて毒物か爆発物を渡していて、主人公たちを殺そうとしていたとばかり……。
脱出するのにそのヴェルニコを使い、さらにジェシカがカッレの妻だったとは……!
ラスト。祖父の想いに気付いたウェズリー。わだかまりはなくなって、自分の気持ちも伝えたかっただろうに、もう相手はいない。
切なくて読んでいてホロリとしました。
小説家の主とメイドのコンビ。
他にもいろいろな事件を解決しそうですね!