四、内と外 3
昼過ぎの邑落は、騒がしかった。
青草の茂る野に五十近い穹廬が建ち並び、胡服を着た女たちが、忙しそうにそのあいだを駆け回っている。男たちはそんな光景を傍目に見ながら、共用の広場に今日の戦果を運びこんでいた。
烏丸にとって、狩りは生きるための生業であり、戦の訓練の場でもある。
関羽は背負っていた猪の骸を、肉を解体していた若い烏丸の男の前に置いた。男は地べたに座り、漢のそれとは違う特徴的な
「
と、手を止めて、他の烏丸たちと同じように、親しげに関羽を呼んだ。
「大きいな」
「そうでもないだろ」
関羽は、自身のしとめた猪の骸を見下ろした。話しているのは河東の漢語で、烏丸の言葉も半分も解ってはいなかったが。短い会話であれば、単語や間だけでも通じるものだ。
「違う」烏丸の男は首を振った。「おまえが大きい」
「俺が?」
関羽は首を捻った。自分は小柄ではないが、抜きん出て長身でもないからだ。だが男は
「おまえは大きい」とまた云いながら、猪の腹に刃を入れ皮を剥ぎはじめた。「小帥は云った。おまえは大きい狼だ。そしてもっと大きくなる」
彼は驚くほどの速さで猪の腹を割り、内臓を腑分けして、肉と骨とを適度な大きさに切り出していった。それを女がまとめて引きとり、鍋の中に入れて煮立てた。大鍋からは白い煙が立ちのぼり、火の通った肉の濃厚な匂いは、先に解体した臓物の臭い、放牧された家畜たちの体臭、穹廬の中から漂う乳の匂いと混じって、輝く野にむわりと散っていった。
——烏丸の言葉は、難しい。
関羽は思った。だが他者の言葉の意を推しはかることは、相手が烏丸であろうと漢人であろうと関羽には難しかった。それに、 “獣”としての暮らしは性に合っていたから、言葉の通じる漢人と居るより、烏丸と共に居た方が、ずっと楽だと思えるのだ。
烏丸は、滅多なことでは、城に近づこうとはしなかった。彼らは街道外れの静かな野で、狩りや放牧をして過ごしていて、劉備から賊討伐の依頼があったときだけ、食い扶持のための戦に出かけた。関羽は彼らと共に過ごすなかで、あの小帥の老人から、
女たちが乳を煮る白い煙が、入道雲のかかった蒼い空に、狼煙のように立ち昇っていった。山羊や馬の乳を煮て、酪(ヨーグルト)や蘇(チーズ)を作っているのだろう。
腰まで伸びた関羽の髪を、ざぁっと辺りを吹き抜けた生あたたかい風が揺らした。
「——
また呼ばれ、振り向くと、烏丸小帥(族長)の老人だった。老人は関羽へ向かって笑むと、野の草をさくさくと踏みながら寄ってきて、
「雨」
と、云った。
「雨は降っていない」
関羽は云った。
「風」天を指さして、烏丸の老人は云った。「狼の前に烏あり、雨の前に風あり」
それも、老人に教えられた言葉だった。関羽は空を見あげた。西の彼方にできた灰色の大きな入道雲が、天をすべるように移動しながら、野原に大きな影を落としている。野ではにわか雨を察した烏丸の子どもや、女や、男たちが、色とりどりの首飾りを揺らして、放っていた羊を近くへ連れ戻すべく野を駆けていた。衣の裾から見える彼らの腕や首にはみな獣の入れ墨があり、編んだ辮髪が向かい風に吹かれて尻尾のようにたなびいていた。
「大した男だな、劉玄徳というのは」
邑落を見渡しながら、老人は傍らで云った。
「あの男は、我らを漢人とはしたがらない。——兵を求めるときも、あの男は命を下さず、金と物とで頼むのだ。それはあの男が、我らを理解しているということだ。我らは誰の手先でもなく、ただ食い扶持のため狩りをする獣なのだということを」
老人の言葉は、ほとんど聞きとれなかった。ただ彼が劉備の名を口にしたことだけが解って、関羽は、劉備のことを考えた。
おかしな男だった。人というものは群れがちであるのに、あの男はよく独りになる。誰もやらないことをやりがたる節がある。けれども、関羽はそれが嫌いではなかった。誇りなのだ、と云っていた。あの男は。人から、別たれて生きることを。
ずっと、湖の中にいるようだった。あの男と出会うまで。通り過ぎる
だが。初めに、劉備だけが、語りかけてきたのだ。ただがむしゃらに暴れていた関羽に、お前の生き方は、ここにあるのだと。指図するでもなく、押さえつけるのでもなく、いつだって、いがみ合って殴り合うような、対等な目の高さで。
だからここでは、よく見える。立ちのぼる煙。頬を撫でる野の風。遠い街道を突っ切っていく連絡役の官兵の姿でさえも。劉備の近くでは、くっきりと。
ゆえにこそ、劉備がこの小さな県で役人などをしていることが、関羽には不思議だった。あの男は、自分と似ている。人のなかに居るものではない。だのになぜ、
「難しいな」
関羽はぽつりと云った。
「解らんか」
「俺にはよく解らない」
関羽がぼんやり云ったのをみて、
「あっはっは」と、老人は腕を組んだまま、大口を開いて笑った。「おまえはまだ生れたての狼よ。烏丸の言葉も、この世の生き方というものも、ろくすっぽ知らん」
「馬鹿にしたのか?」
むっと刀を握る関羽へ向かって、
「そう怒るな」
老人は白髭の生えた顎に手を当てながら、くつくつと笑っていた。
「だが今、それで他を寄せつけぬほど強いのだから——大きくなれば、どれほど強かろうな」
関羽は、老人を見あげた。狼の毛のように茂った銀の眉の下から、一対の瞳が関羽を見ていた。何かを推しはかろうとするような、底知れぬものを宿したまなざしだった。
「烏丸は、常に、強きものに従ってきた。だが全てを従わせるほどの強きものが、この
と。
「——長生!」
漢語で呼ぶ声があった。関羽は振り返った。見ると、いつも、関羽や烏丸の目付け役をしている田豫が、馬を馳せさせ慌てた様子で、こちらに駆け寄ってくるのだった。
「長生、助けてくれ!」
悲鳴のような声がこだまする。空にはいつしか灰色の雲が固まり、にわか雨が、暗い景色にぱらつきはじめた。
「どうした」
向き合った関羽へ、下馬した田豫は青い顔のまま、息も絶え絶えといった様子で、縋りつきながら云った。
「
霧のような小雨が、音もなく地面を叩いていた。
血だまりのなかで、男は、横たわり、雨に打たれている。
その、ぐたりとした頭目の身体を——劉備は力づくで引き起こすと、手にしていた鞭を振り下ろした。ばちんという衝撃とともに頭目の身体は投げだされ、大の字になったまま動かない。それをまた持ちあげ、鞭を振る。血が跳ぶ。反応はない。百、二百は打ったかもしれない。初めは殴っていたが、手の感覚が無くなってからは、帯に挿していた馬鞭を使った。
制止する誰かの声が遠く聞こえる。頭は妙に冴えている。だが思考と身体が別にあった。淡々と鞭を振り下ろす自分を、冷めた目でどこかから茫洋と見ている。
もう息はしていないかもしれない。だが殴るだけだ。殴り続けるだけだ。肉を裂き、血を叩くびちゃびちゃという音が腹に響くたび、自らにまとわりついた醜いものが、その血で洗い流されていくような気がした。これは儀式なのだ。俺の役目だ。意思ではない別のものが身体を突き動かしていた。もの云わぬ男の頭を踏みつけ、踏みにじる。また無表情で鞭をもたげる。
——そのとき、
「——おい」
氷のような、静かな声が、耳を刺した。
劉備は振り返った。役所前の広い道には、こちらを囲むように、いつしか大きな人だかりができていた。その人波がさぁっと別たれ、関羽が歩み出てくる。ひとびとが異質な関羽を恐れ、自ずと道を譲っているのだ。好奇と恐れのない混じった多くの視線の輪のなかで、二人はゆっくりと向き合った。
風が吹いてくる。強い風だ。雲の翳りで、天は、暗い。
「止める気か」劉備は千切れかけていた鞭を捨て、臨戦の姿勢を取りながら云った。「容赦はせんぞ、お前でも」
しかし関羽は刀を構えすらせず、
「知らん」と、長い髪を風にそよがせて、吐き捨てた。「田が云うから来てみれば。なんで俺が、こんなことであんたを構わなきゃならんのだ」
それから関羽は、辺りをちょっと一瞥してから、
「殺すなら、殺せ」とも、云った。「そんな男一人打ち殺すのに、ここまで時間をかけて何をやってる。殺しもせず、逃しもせず。そんなのは、のろまな愚図のやることだ」
投げやりな彼の言葉には、かえって何か、劉備を冷静にさせるような響きがあった。劉備は彼の顔を見た。腹の底で、急激に何かが冷めていった。それはたぶん、関羽がごくたまに、劉備の言葉を聞き入れるときがあるのと同じようなことだった。足元で呻き声が聞こえ、目を落とす。ぼろ切れのようになった頭目が、そこにはいた。白目をむき、口から泡を噴いている。虫の息だが、まだ生きてはいるらしい。
劉備はそこではっと辺りをみた。集まった人間たちが後ずさる。数十人はいた。手下に、安喜の住民に、頭目の連れてきたらしい兵士や世話役——。みな騒ぎを聞きつけ駆けつけてきたらしいが、恐怖によって顔をこわばらせ、ただそこに怯えた羊のように群れていた。その戸惑いの向く先は——間違いなく、自分なのだ。
ああ、俺はまたやった――。劉備は思った。先までの高揚はもう、どこにもなかった。琢県を出たときと同じだ。張世平に逆らい、督郵を鞭打って罪人となった。もうここには居られない。汗がだらりと首すじを伝う。細かな雨が頬を打っている。右手に鋭い痛みが疾った。見ると、拳は血まみれ、裂けた皮膚から白い拳骨が露出している。頭目を殴り続けたせいだろう。劉備は舌打ち、関羽を見た。だがそれもせめてもの反抗のようなもので——やがてため息をつき目をそらした。それから血に濡れた
「こんなものか」と、それを咥えながら、己に言いきかせるように、云った。「こんなものか、今どきの、役人なんてのは」
それから劉備は、無理に笑みを作ると、関羽の方を振り返って云った。平時と変わらぬ、自若とした笑顔で云った。
「今回ばかりは、お前が正しかったな。長生」
そんなもの云いでしか、この場を繕うことができなかった。
田豫や簡雍をはじめとして、手下はみな不安げな様子でこちらを見ている。分かっている——分かっているのだ。法に定められた役職である督郵を殴ってしまった以上、己は、罪人だ。再び本拠を失うどころか、捕り手に追われ、咎人として流浪に身を置かねばならぬ手下たちの不安はどれほどのものか。いったい、何人がついて来るのか。
「俺の馬を、持ってこい」
劉備はぺっと咥えていた草を吐き捨て、あえて尊大な声色で云った。しばらくして、野次馬のなかにいたらしい張飛が、近くに繋いでいた劉備の馬を引いてくる。劉備は裸足で馬に跨った。張飛がもってきた、旅のときに着るあの蒼い外套も、はおった。曇天の下に鮮やかな蒼がひるがえった。
「なんだよ、そんな格好で。県尉様ともあろうもんが、目もあてらんねえや!」
簡雍がわざとらしい明るい声で云う。それに伴って、周りにいた手下たちも、不自然に、底抜けに明るい声で、雨に打たれながら笑いはじめた。みな本当に笑いたいのではなく、どうにか笑おうとしている、そんな感じだった。手下以外の人間はそんな様子に戸惑っており、辺りには異様な雰囲気があった。汗と雨とで濡れた衣が、肌に張りついて、重い。手巾を裂いて拳の傷に巻いていると、関羽が、すたすたと馬のそばに寄ってきた。
「なんだ」
と馬上から、劉備は云った。関羽は黙ってじっと劉備を見あげていたが、同時に、何か、別のことを考えてもいるようだった。彼がそんな様子を見せるのは珍しいことだ、と劉備は思った。
やがて関羽は、静かに、口を開いた。
「ずっとそうやって居れば良い。県尉の印綬なんかより、よほどあんたに相応しい」
そう云って、彼は笑った。
確かに、笑って云ったのだ。
「お前」劉備は面喰らって、吃った。「笑うのか」
思わず、手中の手巾を、取り落とした。だが彼はまるでこちらの驚きの意味が解らぬといった様子で、
「あ?」
といつものむすっとした顔へ戻ると、くるりと踵を返し、来た方向へと引き返して行った。その先には彼が乗ってきたらしい黒馬が繋がれている。どうやら、一緒に来るつもりらしい。
「おい、長生!」劉備は慌てて呼んだ。「逃げるのは、弱いやつのすることなんじゃないのか!」自分の手下ではない、強さを認めて、そばにいるはずの彼が、こんな事態になってなお共に来るということが、信じられなかったのだ。
「逃げるのか、あんたは」関羽は馬上で振り返った。蒼い髪結いの布が鮮やかに揺れた。「ここから去るんじゃないのか」
「去る」
劉備は呆けたように呟いた。去る。逃げるのではなく、去る。いつかの関羽の言葉が頭をよぎった。お前は何も間違っていない。そう、言外に云われた気がした。
「……そうだな。俺には何も、恥じることがないのだから」
劉備は片方の手綱を引いて、馬ごと、人混みの方へ振り向くと、
「ここを去る——だが逃げるのではない、己の意志でここを去るんだ」
手下たちへ告げた。そうだ。ここを去ることは、問題ではない。劉備は己に念じた。俺は間違ったことはしていない。それでこの地に根ざすことができなかったということは、この地が、俺の求める楽園ではなかったというだけなのだ。
ならば求め、さすらうだけだ、と思った。理想を追う旅は、哀れなことではない。選ばれた民にしか許されぬ、崇高な道だ。それを胸に、あの死に瀕した初陣の夜から、自分たちはここまで歩いてきたのではなかったか。
安喜で過ごした豊かな日々は、自分たちに多く恵みを与えた一方で、喪失への恐れをもたらしてもいたのかもしれない、と思った。劉備は馬上から頭目を指さした。
「その男を見てみろ。ただの浅ましい小役人だ。そんな男の監察が、俺たちの去就を握っているだと——下らん法だ、下らん世だ。俺はいま法を犯したが、法の何千倍も尊いことをした。そして冠の無い王の誇りを持って、形だけの位を、この甘えた平穏を捨てるのだ」
劉備は、指輪をはめた方の拳を振りあげた。
「残りたい奴は残れ、だが俺は行く。汚れたものは捨てる、要らんものは捨てる。そうして俺たちは聖人になるのだ。汚れた俗世を捨て高みへ昇り、崑崙山にある仙界へ至る。そこへ至れば俺たちは、あらゆる苦痛から解放される」
羽人、というものがある。老いや死を超越し、永遠の命をもつ仙人のことだ。道を極め、俗を切り捨てた高尚な人間だけが成ることができる。ならば自分たちの旅路の先にも、そうした世界はきっと現れると劉備は思った。これは高尚な道だ。例え今はままならずとも、その道の果てに、救いは必ず在るはずなのだ。
——俺はそう、信じている。
劉備は叫んだ。
「痛みを恐れるな、困難を喜べ! その旅路は、いずれ聖域へ至るための行程だ! お前たちの苦難の先には必ずや、人知を超えた、俗世の“外”からの救いがある‼︎」
「オオ——!」
手下から歓声があがる。自らの信じるものを思い出したというような、熱気のこもった声だった。大丈夫だ、と劉備は思った。俺たちはもう忘れない。馬首を返し、里の門の方へ、馬を進めた。
集まっていた住民たちが道を開ける。手下はひとり、またひとりと何かに浮かされたように歩みだし、あるものは劉備を追って、またあるものは荷や馬を取りに官舎へ向かって、列を作りはじめた。抜けるものはひとりもいない。雨足が強くなった。全身はとっくにびしょ濡れている。だが不安はなにもない。軍団の真っ先を往きながら劉備は思った。
鈍色の空のもと続くこの兵列は、吉兆の光に輝く、聖なるものたちのための行進なのだ。
「——相変わらずだな、あの男の求心力は」
近くで声が聞こえ、兵列の様子を眺めていた関羽は、振り返った。馬に跨った小帥の老人が、音もなく、雨に打たれて、そこにいた。
「来ていたのか」
と関羽は云った。老人は黙ったまま、答えなかった。やはり簡単に言葉というものは伝わらないらしい。関羽はちらりとすぐ隣で馬に乗った田豫をみた。田豫は関羽と目が合うと、「え」と、一声あげてから、
「……頭の求心力が、さすがだと」
関羽の意思を汲みとって、ちらと上目づかいでこちらを窺いつつ、老人の言葉を訳した。
「玄徳はここを去るらしい。俺は玄徳と組んでいるから、同行してこの県を去る。あんたたちはどうする」
関羽の言葉を、田豫が訳した。
「おまえに従う」
老人は云った。
「獣が、俺に、己の行く先をゆだねるのか」
「我らは強きものを尊ぶ。そしておまえは狼だ。故に我らは、おまえの歩みを信じよう」
「あんたも、狼だろう」
「だがおまえとは異なる」老人は云った。「狼にも多々ある。雄と雌。老いたるもの、若いもの。白いもの。灰色のもの。中でもおまえは特別な狼だ。若く類いまれな強さを持ち、誰とも群れることがない。我らの祖は古よりそうした狼に導かれてきた。そして既に、おまえは我らの元へあの男との同盟をもたらした。吾では辿り着けなんだ、この邑落が烏丸として生きるための道を」
「俺は、何も背負うつもりはないぞ」
関羽はむすっと云った。辺りには土っぽい湿気の匂いが漂い、野次馬たちが、老人と関羽の話す様子をもの珍しそうに遠巻きに見ている。老人は笑って、
「無論。獣とは、太古よりそういうものさな」と云った。「自由であれ、
「……狼も、死ぬのか」関羽は食い気味で問うた。「玄徳が云っていた、生きるものはみな行く道の果てに死ぬ。漢人は土の子だから死ねば土に還る。墓に祀られ鬼神になる。それを鬼と呼ぶのだと——。狼も、死ぬのか。死ねば鬼になるのか」
「獣の、餌になる」
老人は答えた。
「烏丸は漢人のような墓を作らない。木の棺に入れて野ざらしにする。じき棺は腐り、肉は虫や獣の餌になる。だが
「どうなる」
「天地になる」
老人は云った。
「天地に」
関羽も云った。それから、ゆっくりと振り返って、また、劉備の方を見た。
雨空のもとにまっすぐと兵列が伸びている。天は高く、地は広く、そのあいだに山々や建物や人間たちや——さまざまなものがごたごたとして、果てしなく、広く思える。
天地になるということが一体どういうことなのか、関羽にはまるで解らなかったが。全てはきっと、あの得体の知れぬ男の歩む、旅路の果てにあるような気がした。
騰蛇の牙 裴エンタ @Haienta
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