2023/03/19 KAC2023ふりかえり

カクヨムアニバーサリーチャンピオンシップ

KAC

https://kakuyomu.jp/special/entry/7th_anniversary#kaku-kac


 今年も参加しました。

 こういうのに乗っかるの好きですよ。


 今年はお題の数が全部で七つ。期間も去年の半分で、去年の一ヶ月の狂乱を思えば、ずいぶんと穏やかになったなあ、と思います。

 とはいえ、お題が発表されてから締め切りが二日か三日というのは変わっておらず、短距離走を次々走り続けさせられることに変わりはないのですが。


 今年は上限文字数の制限がなくなって、下限が777文字に。そして、777文字ぴったりで投稿すると入賞の可能性がある、ということに。

 上限文字数の制限がなくなったのは、文字数を削ってぎりぎりに調整する作業を何度もやった身としては嬉しい限り。これで細かな文字数調整に時間を使う必要なくなった!

 と思ったものの「せっかくだから777文字で投稿するか」と思ったときには結局また一文字単位での調整をすることになったりして。


 あと実は、個人的な試みとして、アイデア出しのときにChatGPTを相手に壁打ちしていました。

 といってもChatGPTにお話や設定を考えてもらっていたわけではありません。

 では何をしたかといえば、例えば「本屋」のお題のときには


「本屋」という単語から連想する単語を10個出してください。


 という感じで、連想する単語や意味の遠い単語などをいっぱいあげてもらって、その中から組み合わせて面白そうな単語を見つけたら、それを頭の中で捏ね上げてみる、というふうに使っていました。

 本屋のときには何かの弾みに「ダンジョン」と出てきたので、本屋がダンジョンなの面白そうだな、とイメージが広がって、以下のような感じになりました。


「本屋」と呼ばれる「ダンジョン」の話を書こうと思います。ダンジョンには自我を持った「本」があります。その本を捕まえる探索者は「ブックワーム」と呼ばれています。このような設定は面白いでしょうか?


 こんな感じでChatGPTに伝えると「面白そうですね!興味を引く設定だと思います!」的なことを言ってくれるので、それで気分を良くしてさらに話を広げていきます。

 考えたことはどんどんChatGPTに伝えて、褒めてもらいます。褒めてもらえるのでどんどん気分が良くなっていきます。


 と、まあ、


・単語のイメージを広げる

・考えをまとめるときの壁打ち相手

・褒めてもらって気分良くなる


 というのが、今回のわたしのChatGPTの主な使い方でした。


 そんなKACのふりかえりです。




■ KAC20231 本屋


ブックワームは本屋に潜る

https://kakuyomu.jp/works/16817330653877769349


 というわけで本屋です。

 上限字数がなくなったことで、嬉しくなって六千文字近くも書いてしまった。


 この設定は前述の通り、ChatGPTとおしゃべりするうちに「本屋」と「ダンジョン」という単語の組み合わせからイメージできて、それで出来上がったものです。

 最初は十代の男子主人公が、美少女に姿を変える本に出会うという、典型的ボーイ・ミーツ・ガールでイメージしていたのですが、ふとショタ魔道書の姿が浮かんでしまって、最初はショタだけど他の本の知識を食べて成長していって青年の姿になってくって良くないか!? と思っておねショタ気味の今の設定になりました。

 きっと青年になってもなんだかんだ言いながら一緒のベッドで寝るんだ……というところまでは妄想しています。

 伸び代たっぷりのショタをよろしくお願いします!


 設定が割と気に入っているので、いつか何かになってくれると良いなあと思っています。




■ KAC20232 ぬいぐるみ


ぬいぐるみ職人の見習い リコ

https://kakuyomu.jp/works/16817330653955192719


 これは実はChatGPTじゃなくて、いつもの知人とのおしゃべりから生まれたものです。

 まだChatGPTをうまく扱えなくて、なかなかぴんとくるものが思いつかなくて、知人に泣きつきにいきました。

 知人が「火を素材にしたぬいぐるみ」と言って、ああ、そういう普通は素材にならないものを素材にしてぬいぐるみを作る様子を書くのは面白そうだなあ、と思ったのでした。


 うまいこと優しいお話としてまとまって、ほっとしています。




■ KAC20233 ぐちゃぐちゃ


感情の宝石

https://kakuyomu.jp/works/16817330654089905456


 これはどういう流れだったかな。

 ぐちゃぐちゃな感情を食べてしまう、という話に最初はしようと思っていた記憶があります。

 そのまま食べるだとわかりにくいから、熟れた果物として取り出して食べてしまうことにしようか、と。

 その物語のあらすじをChatGPTに伝えたら「人によっては気分を悪くするかもしれませんね」と言われて、それはそこまで本気で考慮したわけではなかったんですが、あれこれ考えるうちに「ぐちゃぐちゃと柔らかいものじゃなくて硬いものに変える方が面白いかも」と思いついたんだったような気がします。

 それで、ぐちゃぐちゃのあまり綺麗じゃない感情も、取り出してみたら綺麗な宝石になっていた、というのは良いかもとなったんじゃなかったかな。

 そこから、ぐちゃぐちゃと混ざって柔らかいものをぎゅうっと掴んで宝石にするイメージができて、これはそんなに長く書くお話じゃなさそうだから777文字にしようって思って書き始めました。


 書いてみて777文字ってやっぱり言葉足らずになるなあ、と思いました。

 今回毎回777文字で書いている方もいて、すごいなあ、と改めて感じます。




■ KAC20234 深夜の散歩で起きた出来事


深夜の祭り

https://kakuyomu.jp/works/16817330654170207740


 深夜の散歩で変なところに入り込んで食べ物をもらう話にしよう、というのがすぐに決まったので、ChatGPTには主に褒めてもらう仕事をしてもらいました。

 今読み返して、助けてくれる男性について、もうちょっとちゃんと描写してラブの予感を膨らませた方が面白かったかもなあ、と思ったりしました。

 その辺り、淡々と書いてしまった。


 深夜に二駅歩いて帰宅したこと、昔に実際にありました。

 もちろん変なところに入り込むような経験はしませんでしたが。

 なんだかでも、そのときの深夜の散歩は面白くて、翌日に文章のメモを残しておいたんですよね。スケッチっぽい感じで。

 そのときの経験は活きている気がします。


 作者は経験したことしか書けないわけじゃないけど、経験したことを活かすことはできるよなあ、みたいな……(この話題にはこれ以上突っ込んでいかないぞ)。




■ KAC20235 筋肉


守護者の記憶

https://kakuyomu.jp/works/16817330654264471148


 筋肉のお題に何も思いつかず、あれこれ考えて人工筋肉でできたロボットものになりました。お題に対してちょっと無理矢理感ありますが、これがわたしの精一杯です。

 ロボットもののアニメ、前から好きではあるんですが(でも大好きと胸を張って言えるほど見てるわけではない、ぬるい感じの好きです)、自分で書く機会はあまりなく……というのも、ロボットものって大変じゃないですか、設定とか考えるのが。

 あとどうしても関係者とか多くなるし組織がどうとかいろいろ難しいこと考えなくちゃいけなくて大変じゃないですか。

 けれど今はKAC。求められているのは短編。

 であればその辺りの難しいことは誤魔化せるか、と思っての挑戦です。


 突然のシリアスロボットもので困惑させていたらごめんなさい。


 ロボットの巨大さを感じるように書けていたら嬉しいなと思います。

 あと、普段は滅多に書かない戦闘シーン、面白く書けてると良いのですが……。

 滅多に書かないといえば、三人称もそうですね。


 そんな、いろんな挑戦をした作品でした。

 ロボット大好きな知人から「長編で書け」と言われてますが、果たして……。




■ KAC20236 アンラッキー7


死神との賭け

https://kakuyomu.jp/works/16817330654378118341


 正直、お題を見て困惑しました。

 アンラッキーならわかるしラッキー7でもわかるけど、アンラッキー7てどういうこと? って。

 ChatGPTに「アンラッキー」や「ラッキー」「7」から連想するワードをいっぱいあげてもらって、そこからさらに連想を広げて、「死神」に辿り着いた感じです。

 そして、死神との賭けをする男を別視点から書くことで、なんとか物語の体裁になったような気がしてます。


 死神と賭けをしてるこの男は、一緒にいる死神が美人だから「ラッキー」と思ってるんじゃないかな、とか考えてました。




■ KAC20237 いいわけ


駆け落ちごっこ

https://kakuyomu.jp/works/16817330654481613663


 いいわけ、最初に「見付かったらなんて言い訳するの?」という台詞を思いついたので、それを軸に周囲を固めていった感じです。

 最初は関係を姉と弟か叔母と甥の近親相姦での駆け落ちと考えていました。

 多分年下男子の方が若くて、勢いで女の方を連れて駆け落ちしちゃうんだろうな。女の方は大人で、こんなの続かないってわかってて、それで戻るタイミングを考えてる。

 そんな気持ちのすれ違いのお話にしようと思っていました。


 ただ、駆け落ちして二人で電車の座席に座ってぼんやりしている光景を思い描いたとき、二人とも制服を着ていたんですよね。

 それで、こういう勢いはやっぱりもっと若さが必要だなって気がして、恋愛面よりも思春期の部分を大きく膨らませることにしました。

 だから、二人の間にあるものが本当に恋愛なのか、二人にも多分わかっていないのだと思います。

 ただ、どこかに行きたい、ここから飛び出したい、という気持ちだけは二人とも同じだったのだろうなあ、と。そんな気がしています。




■ さいごに


 読んでくださった方、ありがとうございます。

 感想もレビューも、応援や星も、全部嬉しいです。

 何もなくてもPVが増えているだけでも嬉しいです。

 改めて、ありがとうございました。


 KAC参加の皆様もお疲れ様でした。

 また来年もあれば、頑張りましょう!




KAC2023

https://kakuyomu.jp/users/kurehaa/collections/16817330653995240509

 今年の参加作品まとめコレクションです。

 よろしければどうぞ。



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