ジローは前世のことを思い出す。
何をやっていたのか、どうやって死んだのかは覚えていない。ただ、育成ゲーム『きらめきぼし☆』のアイドルたちのことだけを覚えていた。
前世の自分は、彼らに人生を救われたのかもしれない。
そう思ったジローは、目の前にいる少年にスカウトした。
そう、彼の最推しのみと兄、
……ではなく、推しに似ているリヒシュタール国第一王子ルネ。
「アイドルになりませんか?」
光の精霊が見えるジロー。
精霊の加護が失われている国と反して、ルネ王子の周りにはたくさんの光の精霊が集まっている。
――つまり、単独ライブツアーをすれば、国を救える!?
はたしてジローとルネ王子は、国を救うことができるのか?
「僕に、魅力なんてない」
「前向きなアイドルなんてなれない」
そして、自分が生まれたせいで国から加護がなくなったと思い、閉ざしたルネ王子の心を、ジローは引き出すことが出来るのか?