約束は、絶対に守るよ。

 運命の恋。赤い糸。

 細く脆いようで固く強か。貴方と私を繋いで離さないそれはどんな濁流、激流に呑まれても絶対に千切れたりしない。

 ――約束。きっと来世も会おう。

 ずっと前世から持っていた貴方の感触。だからいつか会えたならば、すぐにその感触に気付けるはず。

「貴方と出会ったのはきっと偶然なんかじゃない、必然だった」

「ずっと貴方を探していたような気がする」

 いつか出会ったときはきっとそんなことを言って顔を見ながら微笑むのかしら。
 それともずっと焦がれていたその感触を早く確かめたくて貴方に抱き着いたりするのかしら。

 ――そもそも、運命ってどんな味なのかな。

 思い巡らせ春風香る。
 貴方の初恋は「運命」でしたか。

 * * *

 何の記憶も持ち合わせない少女が見知らぬ土地で力を持つ鳥に命を助けてもらう所から始まる今作。

 様々な恋の形と、熱と、嫉妬と、葛藤と……。

 崩落していく楽園の中、必死に生きながら自分の生きる途を探し、走り抜けていく少女の物語が展開していきます。

 他の様々な鳥と交流を深め、時にハラハラさせられたり、ちょっぴり裏切られたり、胸に津波の様に感情が押し寄せてきたり。
 様々なドラマの末に見出した少女の選択に貴方は何を思うでしょうか。



 この文を読んでくださった貴方は是非、一度思い切って最後まで彼女とこの物語を走り抜けてみてください。
 ここで多くは語りますまい。

 巡る命、巡る物語。

 その意味は最後の「約束」の果てを知るまで分からない。

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