「あとがき」のようなもの
『青海剣客伝 ―薫風長崎篇―』を読んでくださったみなさん、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
「三題噺」を募集します――という告知を行ってから、じつに一ヶ月と4日を経て『薫風長崎篇』を書き終えることができました。
これはすべて、お題をくださった
雪うさこさん
肥前ロンズさん
夏緒さん
はじめ読んでくださった読者のみなさんのおかげと、感謝しています。ありがとうございました。
本来なら、お題に基づく小説ですし、3000字程度の掌編にまとめる心算だったのですが、いろいろと設定を盛り込むうちに、2万文字を超えるという、結構なボリュームの小説となってしまいました。
きっかけは「アフタヌーンティースタンド」のお題で……。「時代小説を書きます」と縛りをかけていたので、時代設定に困りました。
これっていつから使われているんだ? というのを調べるところからはじまりました。19世紀なかばにイギリス貴族のあいだで「アフタヌーンティー」が広まったとあったので、これは幕末しかないだろうと。ケーキが出てくるんだから、外国人が出てこなければならないのか? グラバーしか知らねーぞ。という流れになり、『青海剣客伝』のキャラを長崎へ派遣するという方法をとりました。
あとは「真犯人」のお題。真犯人なんて言葉は実生活で使わない。推理小説のなかでのみ活躍する特殊な言葉です。なので、ミステリ仕立ての物語にしたのですが……これが小説を長引かせることになってしまいました。
なぜか。
ミステリを描いたことがないというのがひとつ。もうひとつは、ある程度の物語としての骨格がないとミステリは、成立しないとわかったからです。
犯人探しのミステリは、展開のなかで犯人が明らかになってくるところが面白いのであって、掌編に多い「雰囲気小説」や「シチュエーション小説」(わたしの小説は、まあこのうちのどちらかです 笑)とは要する文字数も構成もかなり違うと分かりました。わかってなかったんですね、わたし(汗)
そんなこんなで「薫風長崎篇」はとても書いていてしんどかった。とくに前半は試行錯誤しながら、書き進めては立ち止まるということを繰り返していたので辛かったです。
後半、坂本龍馬が出てくるのですが、「もう限界や。キャラの出来上がった人を出そう」と。ちょうど史実でも龍馬が長崎に現れる頃合が舞台だったので、無理矢理突っ込みました。結果、ものすごく気分がラクになりました。彼を書くのは楽しかった、救われました。
あとは一気に書いています。
立ち回りの場面は、書いていて楽しい楽しい。さいご「真犯人」も個人的にはすごくいいキャラを持ってこれたと満足しています。このあとまた、『青海剣客伝』を書くことがあれば、深掘りしていきたいキャラになりました。
よーし。終わった!
これでしばらくは、小説書かないぞ、夜は寝るぞー。
それではみなさん。またどこかで。
読んでいただき、ありがとうございました。
青海剣客伝 ―薫風長崎篇― 藤光 @gigan_280614
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