遅れましたが『わたしをつくった百の物語』を更新しました。今回は『デビルマン』。知る人ぞ知るトラウマ漫画です。
『デビルマン』がなぜ読む人にトラウマを与えるほど心を動かすのか。本文には書かなかったことを考えてみました。
それは人間の持つ破壊衝動というか、対象物を傷つけたいとか、支配したいとか、すり潰しバラバラにしたいとか、そういう負のエネルギーを「お前にもこういう負のエネルギーがあるはずだ。思いのままに解放したいと感じてるはずだ」と突きつけてくるからじゃないかと思いました。
負のエネルギーのために狂乱状態となった人々にヒロインは殺されますが、この凄惨な現実に負のエネルギーを爆発させたデビルマンも人間を殺戮します。激しく制御できない負のエネルギーの連載が物語終盤の推進力となっていて、読者をそれをハラハラしながらも、おもしろがって読むわけですから。
『デビルマン』を最後まで読んだ人は皆、自分の内に悪魔を飼っていると、意識せずとも知らされる――そういうところに人は心を動かされるんじゃないかな、と思いました。
『デビルマン』
https://kakuyomu.jp/works/16818622174472602442/episodes/822139840062286859