巻き込まれ体質な男子を書かせたら右に出る者がいない、黒須友香様の描くハイテンション二択ラブコメ!
主人公の関川くんへ課されるのは「あたしと仕事、どっちが大事?」など、一見すると世間にありふれた二択。でもそが本作のヒロイン二子ちゃんの口から突きつけられた日には……。
振り回される、なんて生易しいものじゃありません。もう、バケツをブン回して「ほら見て~。遠心力で水がこぼれないの~」くらいのレベルです。
回転をやめたらバシャッて水がかかるし、手を離したらビュンッて飛んでくよ?
でも大丈夫。この二人なら、手を取り合っていつまでも回り続けます。
ハイテンションで次々繰り出される爆笑変化球。読んでいるほうが目を回してしまわないよう、お気をつけて。
本作は、関川二尋様の自主企画を元にした作品です。企画主の出すストーリー前半部分に、参加者がそれぞれの想像力を広げて後半部分を書いていくという企画です。
作者様の描かれた世界は、10のお題に答えながらも一貫したストーリーの流れがあり、登場人物たちも脇を固めるキャラクターたちも何とも明るくコミカルです。
周囲の空気を読むことなく斜め上に突き進む彼らの姿に、読者は終始ニマニマしっぱなし。主人公カップル二人の底抜けの明るさは、日々吸っている空気の重苦しさをパッと吹き飛ばしてくれるようです。
世の中がこういう時、笑うって大事。明るい方向に思考を動かすってとても大事。そんなことを改めて思う、からっと突き抜けた元気なコメディです。