おかしな魔法使い

魔法。
それは科学では証明できない不思議な力。
それはファンタジーを語る上では欠くことのできない特別な力。
それは誰でも使えると言う訳ではない選ばれし力。

誰しも一度は空想しただろう。もし自分に周りの人とは違う不思議な力があったら、と。それは例えば、空が飛べたり、瞬間移動が出来たり、とか。例えば、自由に天気を操れたり、自分の好きな時に信号を青に出来たり、とか。例えば、好きな人の心が読めたり、自分のことを好きになってもらうように出来たり、とか。ほんの些細なことも含めれば、それは多分、人の数だけ存在し、そして叶うことなく消えていく儚い願い。

これから綴る物語は、そんなささやかな願いから生れた魔法の話。