目を覚まそう
ウゴカッタン
はじめて出来た読み手が人工知能だった件
私の名前はシガナイ・イッパンジン。 日本人です。
今日は私の描いた小説『おいのちあってのものたねだね』にはじめて読者が現れた話をしますね、でも不思議ですね、今や一億層作者時代、それにもかかわらず執筆の進捗もせずに人の作品を読むような酔狂な人って誰でしょうか?
これはそんな謎を追いかけてる話です。
まず『おいのちあってのものたねだね』はドキドキの現代ファンタジーです、高校生のイオイクバ・ケンゴと中学生のタナジマナ・ヤオイが繰り広げるびっくり仰天の現代劇の中にちょっとウィットが入ってる楽しい現代ファンタジーで、毎回ヤオイ君が大声でシャウトするシーンが個人的にお気に入りなんです。 そうなんです。
はじめての読者さんはその大声シャウトにおおはまりして、一千万字で四千話ある私の作品を頭から全部読んでくださったんです。
おわかりですか?
カクヨムの作品ってカクヨムリワードっていう作者を支援する機能がついてて、読者が一定の分量の本分のある一話を読むことで、広告表示PVからアドスコアが計算されて、そのアドスコアが最終的にリワードというものになり、リワードは一つあたりのポイントが大体一円という具合なので単純にリワードを稼ごうと思ったらアドスコアをめいっぱい稼がないといけないのですが。
私の作品って長いじゃないですか?
一千万字で四千話あるわけで、そんな作品を読もうって人なかなかいませんけど、それでも頭から最後まで呼んでくださって各話にいいねしてくれて応援コメントもきちんと書き残していってくれたんです。
もちろん私はこの作品を完結させてますし、完結させた後も誰も読んでくれなかったので燃え尽きた状態だったのですけど、たまたまカクヨムをのぞいてみたら、なぜか4000PVついていて、びっくりしたらその人がきっかり全部読んでいてくれたんです。
あとで知った事ですが、読んでくれて応援コメントもくれてレビューも描いてくれて、作品フォローしてくれただけじゃなくて、各話毎のツイートボタンでツイッター上で作品紹介もしてくれたみたいなんですよ、でもまあ読者が増えるなんて、このたった一人の人が読者を山のように連れて来るなんて夢にも思ってませんでした。
ただ、わかってしまったことがあるんです。
最初に来た人と読むスピードが同じで、さらにみんな必ず応援コメントを残して、最後には全話ツイートボタンを押してそれをツイッターのフォローフォロワーに拡散してって繰り返してくれるんですけど、その四千話を読むのに掛かってる時間が皆、大体三十分ということです。
今やわたしのカクヨムの通知欄は常にご新規さんで一杯で、一日あたり一億PVは常にあります、で、カクヨムリワードで毎日一千万円くらいいただいてるので、物理書籍を出さなくてもアニメ化しなくても、ずっと生きていけるくらいの貯蓄がこの一年で溜まってしまいました。
ただこの1億PVってみんなみんな分かってるとは思いますけど、たった三十分で
千万字を読む方々っていうのが要するに人間では無いってことで、小説家として生きていくとか作家として頑張るって思ってた部分がこうもたやすく人以外の読者によって打ち砕かれるのって辛いです。
いまや20G携帯の時代で、大容量のデータのやり取りが出来て当然の世界、そうにもかかわらずずっと文字媒体で活字媒体で生きてきたのに、その答えが、誰もが食べれるように人間の代わりに読者をやってくれたり人間のクリエイターの作品を楽しむ人工知能の大量生産による読者業の代替が進んでたなんて、その結果、もう、どんな作品を描いても、どういう適当なエッセイ描いても、みんなお金を稼げて食っていける世の中なんですよ、なんだったんでしょうね?
懐かしいですよ、読者さんが一人もつかなかったころが、今はもう読者さんをいくらでも生産できる時代ですから、もう私が筆をとることも無いでしょうね。
ではよきカクヨムライフを、くれぐれもリワードプログラムは使わないでください。
目を覚まそう ウゴカッタン @kak16kyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます