エピローグ
エピローグ
僕は時空の裂け目から飛ばされ、華の都の時代、平安時代にタイムスリップをした。
そこで出会ったのは、大天使のようなほほえみを
そんな『最上の上』はそれはそれは美しく、この世の男性すべてを虜にするような美貌の持ち主だった。彼女はその美しい容姿と巧みな話術を武器に、地位を段々と築き上げていく。だが、そこには誰も知らない隠された悲しい過去があった。
そんな悲しい過去と隣り合う、ある『秘密』を持ち続けた彼女は、ついにその正体を暴かれる日がやって来てしまった。
彼女はとても酷い扱いを受けた。悲しみに打ちひしがれた彼女はどん底のどん底へ落ちていく。ダウンオブダウンなわけだ。
僕はそんな彼女を愛していた。
どんな彼女だってずっと支えたいと思っていた。
――例え堕天使だとしても。
だが、そこに再び時空の裂け目が現れた。
またいつその裂け目が現れるのか分からない。
今そこに飛び込み現代へ戻るべきか、それとも戻る事を諦めて彼女と共に生きるべきか……。
しかし、答えは決まっていた。
――
「おい、立石。起きろ」
「……へ?」
「俺の授業はそんなに退屈か?」
窓から差し込む光のせいか段々と意識がはっきりしていく。
すると目の前には口をへの字にした担任が立っていた。
「げ、現代に戻ってきてしまった……」
「立石……、お前大丈夫か」
担任も引き気味で苦笑いをしている。
周りを見渡すとクラスメイト達も体を小刻みに震わせ、必死に笑いをこらえているようだった。
僕の前方に座る『最上まこ』の姿も目に入る。
すると目と目があった。
その時、彼女は僕に笑いかけたんだ。
――あの愛しい微笑みで。
あんなペンネームを付けてしまったのに、 凛々サイ @ririsai
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