短篇小説集「ョゴルィンッミペゥ」

あとがきに代えて

鎮魂碑 1/1

　この短編集も漸（ようよ）う8万字を超えました。

　8万字と言えば、カクヨムでは中編から長編扱いになる、節目の文字数です。

　短編集が何百話もあると「うげぇ……読むの面倒くさいな……」となるのは人の常ですし、キリ良く完結扱いとさせていただくことに致しました。

　本短編集に収録されている28編の内、

　タイトルが書きたかっただけの話が５編、

　本文中の一部が書きたかっただけの話が７編、

　ワンアイデアを強引に形にした話が11編、

　無から出力した話が５編となっています。

■タイトルが書きたかっただけの話

『元リーマンだけど筋トレばっかしてたら超人になったので新幹線止めてみた』

『最弱職【テイマー】……などと呼ばれたのも今は昔。攻略チャート通りに進めれば誰でも最強龍をテイムできるので、街がドラゴンだらけになりました。今更調整案を検討してももう遅い。』

『異世界転生した合理主義者、万象は特に存在する意味がないので次元ごと消滅させる』

『役立たずの無能と言われパーティ追放された魔剣士は真の実力を開放したけど「できるなら最初からやれ」と元メンバーの遺族に恨まれ訴えられ賠償金が払えず奴隷落ちする。今更もう遅い、死んだあの子は帰って来ない。』

『SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSランクダ』

■本文中の一部が書きたかっただけの話

『犬のゲージ』

『ねこみみうぃるす！』

『死ぬ部』

『前世がネジだった男』

『さよならピスケス』

『「RINEやってる？」職人と、メッセージアプリをやっていない女の子』

『親ガチャ、子ガチャ』

■ワンアイデアを強引に形にした話

『Thank You Very Much, Mr. Torenji』

『乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生したと思ったらファンディスクの世界だった。』

『結婚相手マッチングAI／ディストピアのイースターエッグ』

『どこにでもいる普通のDKと普通のJKの話』

『馬になった人魚姫』

『中世攻城戦におけるクジラ爆弾の有用性について』

『偉人転生録ニュートン・オブ・ニュートン（カクヨム版）』

『デカ盛り専門オンライン料理注文配達サービス・オーバーイーツの日常』

『クリームチーズとぼく』

『夜道にて』

『AIをやるバイト』

■無から出力した話

『逆張りニューヨーカーの銀座ランチ』

『神様は首を折る』

『記憶容量の無駄遣い』

『太陽に夕立をかけて』

『激旨ハムカツフィレサンドのある生活』

　思ったよりタイトルが書きたかっただけの話は少ないですね。タイトル文字数はアホみたいに多いですが。

　何ということもないタイトル、台詞、ワンアイデアのために、死んだり、人権を剥奪されたり、意味不明な仕事をさせられたり、次元ごと消滅させられたりした皆さん――登場人物及びモブの方々には誠に申し訳ないことです。

　しかしながら、物語を書く行為にはそのような不幸が付随することも多い。世の中には不幸な人を描くためだけに物語を綴る作者もそれなりに存在すると聞きます。

　私には嗜虐趣味やグロテクス趣味はありませんが、何の気なしに天変地異で世界を滅ぼすことも間々あるので、犠牲者総数については何とも言えない所です。

　このページは、あらゆる些細な物語の犠牲者らのための鎮魂碑として建立いたします。

　2023年６月