いとけなき心が手繰る糸で紡がれていく、恋と救いと新たな家族の形

少年騎士カートが暮らす魔導士ピアの家に、彼の妹・フィーネが転がり込んでくることで幕を開ける物語。
新たに始まった3人の暮らしは波乱ばかりで……?

前作に引き続き、カートとピアの抱える傷を掘り下げつつ、新たに加わったフィーネに関わる問題を紐解いていくストーリーです。
それぞれの生い立ちから、愛とも呪いとも言える家族の繋がりというしがらみが、丁寧に描き出されていきます。

宮廷内の不穏な動きを追うとともに、徐々に見えてくる各人の心の傷。
心理の動きにリアリティがあり、読み応えがありました。

愛を受けるべき相手から縛られていたせいで、自分も他者を縛ることしかできなくなってしまうこと。
そんな雁字搦めの『いと』を、3人はどのように断ち切り、そして結び直していくのか。

温かな気持ちに包まれたようなラストシーンが清々しい読後感でした。
続編も楽しみです!

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