音楽へかける真摯な情熱と大学生の心の機微、振り幅がすごい!

音楽の喜び、高揚感や音を聞いている時にしか脳裏に浮かばない一瞬の光景や物語、そのようなものをキーボードにぶつけているのであろう表現が好きです。

例えば「ショパンの曲はポーランドの音楽だ」というくだりがあります。主人公が心揺さぶられる表現は緻密ですが、読者に与える「ショパン」のイメージは壮大で、きっと今までに聞いたことのない不思議で豊かな演奏なのだろう、と、聞こえてもいないピアノの音に心地よく酔えるほどです。

ストーリーも丁寧に進められていき、等身大の(いつも若干お金のことを気にしているような)大学生の姿にも好感が持てます。頑張れ音大生!!!

その他のおすすめレビュー

平蕾知初雪さんの他のおすすめレビュー64