本当に作者自身が最強主人公してる!(※でもキワモノではないからすごい)

 ガタイのいいめちゃ強サイボーグと少女のコンビが、崩壊後の荒廃した世界で、失踪事件の調査と解決に赴くお話。
 ポストアポカリプスSFです。ハードSFというよりは、強いヒーローによるド派手な戦闘が魅力の、バトルもの的なお話。
 もうコンセプトからして強いというか、タグに燦然と輝く「作者」の文字。キャッチコピーをそのまま引くなら、
「俺自身を最強主人公として出す。これが俺の厨二病作品だ!!」
 とのことで、それを一字一句違わず実践する、そのスタンスだけでもう最強と言っていい作品です。しかもこの辺、別にメタ的な皮肉でもメアリー・スー的な自己陶酔でもなく、ちゃんと立派にエンタメしてるのが最高でした。
 設定面における独特のえぐみ、なにやら冒涜的なシリアスさが魅力的。より正確には、そのグロテスクな側面に対し、主人公らの根明さが好対照なのがもう本当に良い。
 結構どうしようもない世界っぽい(少なくとも現代を生きる我々の価値観では)んですけど、そんな中でもあっけらかんと生きる彼らの真っ直ぐさが、ある種の救いのように働く感覚が楽しかったです。この主人公、見ていて気持ちいいんですよ。
 あとこう、異形頭、とは少し違うかもしれませんが、でもキャラクターの頭部形状に何か癖(ヘキ)をくすぐられるお話。シスターなんかもう最高でした。スカッと気持ちのいいポストアポカリプス娯楽大作です。