あとがき(本編必読でお願いします)

これを読んでいるということは、あなたは『宿命のストローク』の本編を読んでくださったということですね。ありがとうございます。


さて、本作は、レイモンド・チャンドラーやロス・マクドナルド作品に代表されるハードボイルド物が好きすぎる作者が書いた物です。ちなみにチャンドラーでは『さよなら、いとしい人』が一番好き。そして女性探偵が主人公の「V. I. ウォーショースキー」シリーズもとても好きです。サラ・パレツキー作です。


さあ、この作品の元ネタですが、それは東京スカパラダイスオーケストラの楽曲、"Stroke of Fate"だったりします。イントロがまさにギターのジャラジャラしたストロークで、非常に格好いい曲です。それを聴きながら、「このタイトルのStrokeとは何だろう?」と考えたのが発端でした。

そのため、本編冒頭の英語はこのような言葉遊びにしてあります。


"When people heard the stroke of 10, the guitarist died of a stroke, playing his last stroke."

(人々が10時の鐘を聞いた時、ギタリストは脳卒中で死んだ――最後のストロークをかき鳴らしながら。)


また、作中に出てくるお店の名前等にも好きなアーティストネタがあったり。メキシコ出身のギターデュオ、“Rodrigo y Gabriela"をご存知でしょうか。店名や通りの名はほとんどが彼らのファーストアルバムの曲名を元にしています。彼らはガットギター(最近はそれ以外も時々使用)だけで凄まじくクールな音楽を奏でるのですが、それらがまた作業用BGMに、読書用BGMに、運転用BGMに、どんな時に聴いても最高に集中できるのです。その割に、キーとなる「シチリアーナ」や「オレンジのコイン」には何の由来も無いのですが。


終わり方については少々唐突な印象も受けるかもしれませんが、これには当時嵌っていたジャンル、「奇妙な味」の影響もあります。ロアルド・ダールの『あなたに似た人』などに代表されるジャンルです。面白いので興味のある人は是非。


それではまたどこかでお会いいたしましょう。読んでくれてありがとうございます!




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宿命のストローク 和毛玉久 @2kogeta9

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