概要
20XX年、地球は「物津波」に包まれた
20XX年。世界の歴史が二十二世紀にはいろうとしたその年に、イースター島(ラパヌイ)に生じた大穴からは金塊・高級装飾品・グランドピアノなどあらゆる物品が噴き出す。最初こそ狂喜乱舞した人々だったが、噴き出る万物はとどまることを知らなかった。やがて島全体を埋め尽くし海洋を飲み込み、世界は「物津波」に包まれるのであった。
物にあふれながら終末を迎えた世界で、元カノ、科学者、社会人など全く共通点のない人々が力を合わせ生き残る物語。その中核には、究極の平和的思想が鎮座していた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!何でもあるのに、欲しい物は見つかり難い世界。
ポストアポカリプスはそのジャンルにより様々ではありますが、多くが物資不足に悩まされる事こそ常です。しかし、本作における「モノが溢れた事によって訪れた終末」というのは今までにない斬新な視点であり、非常に興味がそそられました。
ポイントネーブルと呼ばれる穴から溢れ続ける物資が地表を埋め尽くしながら常に流動し、最後にはリバンと呼ばれる奈落へと呑み込まれる世界。その上で暮らす人々は奈落へ呑まれない為にも常に移動を続けながらガラクタの海を掻き分け日々の糧を漁る……文明の利器に覆われながらも、根幹の部分では原始的な生活スタイルを取らざるを得ないミスマッチ感が堪らない作品です。