ポストアポカリプスはそのジャンルにより様々ではありますが、多くが物資不足に悩まされる事こそ常です。しかし、本作における「モノが溢れた事によって訪れた終末」というのは今までにない斬新な視点であり、非常に興味がそそられました。
ポイントネーブルと呼ばれる穴から溢れ続ける物資が地表を埋め尽くしながら常に流動し、最後にはリバンと呼ばれる奈落へと呑み込まれる世界。その上で暮らす人々は奈落へ呑まれない為にも常に移動を続けながらガラクタの海を掻き分け日々の糧を漁る……文明の利器に覆われながらも、根幹の部分では原始的な生活スタイルを取らざるを得ないミスマッチ感が堪らない作品です。