そしてコルテスは戦士の目で断言した。

世界史の時間にテスト対策として「アステカ文明」や「コルテス」という言葉を覚えたものの、詳しく知っているかというと……。「はて……?」と。

私的には。

コルテスといえばアステカを占領し、キリスト教化しようとして梅毒を広めた殺戮者というイメージがありました。
かつ、アステカ文明については「あれでしょ?いけにえ系の……」「それに予言かなんかでコルテスを受け入れちゃったやつだ」という程度。

そういう方にはぜひこの作品をお勧めします。
総文字数15,000。……今見てびっくりした。嘘やん。あんなに濃密な内容なのに15,000やったん?

もう、コルテスやアステカのイメージががらりと変わる。
特に撤退作戦を開始した後半なんかの描写は圧巻のひとこと。
コルテスはなぜ、支配したがったのか。それにむかって物語が収斂していきます。

歴史小説って、史実をなぞりながらも、そこに創作をいれて物語として魅力的に仕立て上げていくものだと私は思っていますが……。
(史実をなぞるだけなら年表でいいわけですし)

もう、そういった意味でも大満足の1作でした。

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