日常の家族の描写が丁寧に描かれた作品。 読んだ後温かい気持ちになりました。
「猫ですの」と言われれば、猫なのでしょう。「猫かわいがり」と言われるのは、猫に限らず、人間相手にも通じます。でもって、猫と言われているにもかかわらず、猫であることを忘れて、つい、読んでしまいました。あ、そうか、この語り部は、猫だったのだ!そう気づくころには、物語も佳境に入っておりました。ペットも家族と、よく言われます。その本旨を、単に頭の中の知識としてでなく、肌身で感じさせてくれます。そう、ここでは猫ですけれども、ペットとされる動物たちも、家族なのですね。その家の人にとっても、その家に来られる客人にとっても。
コロナウイルスが流行して生活が変化した今、ママとお姉ちゃんはずっと家にいる日々か続きます。いられる時間か増えたせいか猫は大喜び?猫視点から語る短編ですが、猫も家族だと思って読むべきな作品です。パパも猫だからこその視点で登場します。
いろいろと忍耐を強いられることの多いこの頃です。この短編もそんな状況で展開しますが、人間とは異なる物の見方にほっこりしたり、ほろりとしたり。大人向けの童話とのこと、確かに大人の心に訴えかけてくるものがありました。大切な誰かとずっと会えないでいる人を癒し、勇気を与えてくれる作品です。
ママはね、以前はまいにちお出かけしてたんだけど、ここんところはお出かけしなくなっちゃった。だからずっと一緒にいられて、お姉ちゃんうれしそう。あたしだってちょっとはうれしいわ。猫視点です。かわいい童話風お話でした!
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