昭和サスペンス×SFの独特な味わい
- ★★★ Excellent!!!
昭和のドロドロ愛憎サスペンスドラマの中にフランケンシュタイン博士が紛れ込んだ……そんな印象の、クレイジーな力作です。
憎しみが横溢し過ぎる濃いキャラクター達の姿は、どこかユーモアすら感じさせ、昭和感漂う背景とクローンという取り合わせの妙味は魅力的で、最後まで惹き付けられます。
科学の暴走とは、案外原始的で剥き出しの人間の憎悪から生まれるものかも……という事をふと考えさせられる、不思議な味わいと読後感の得られる作品です。