第2話あったもの
起き上がろうとした花火が気付いた感覚は絶望するものだった。それは起き上がろうとした花火は足を動かそうとしたが、右足を動かそうとしても動かないのだ。花火はその瞬間に絶望した。
「私は半身不随になったのではないのか。」
そう思い花火はそっと右腕を動かそうとすると、拳を握ることができた。
「よかった。右手は動くから多々だ右足だけ麻痺しているだけか。」
花火はそう思い心の底から安堵した。
「トラックに轢かれたんだもんね、それくらいは仕方ないよね。」
花火そう考えしばらく横になっていると膝付近に痛みが出てきた。
「あれ?麻痺してたのにな。どうしたんだろう?」
花火はそう思い、右足が使えない中で何とか起き上がりかけてあったふとんをめくった。
「きゃーーーーーーーーーー!!」
病室どころか、そのフロア全体に響く悲鳴を上げた。体は震え、目からは涙を流した少女はピクリともしなかった。
花火の目には赤く染まった包帯が膝付近にぐるぐる巻きにされ、膝から下にはトラックに轢かれるまであった白くて細いきれいな脚は面影を残すことなく全て無くなっていたのだ。
そう、その日は花火が健常者から下腿切断の障がいを持ってしまい、新しい一歩を踏み出す日の始まりの日だった。
NEW STEP 江上 ゆい @311722
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