NEW STEP
江上 ゆい
第1話始まりの日
ドン!大きな音。「きゃー」という通行人の女性の声。血相を変えて降りてくるトラックの運転手。
1月の寒い雪の日に鮮血が花火のように飛び散った。真っ白な雪景色の中、日本の国旗の様に私の周りだけが赤く染まってゆくと同時に信号も赤く染まった。
「今日も疲れたね。今からどこ行こうか?」
どこにでもいる高校1年の女子たちの会話が始まる。いわゆるJKトークと言うやつだ。
「今日練習きつかったし、あんまり帰り遅くなりたくないかな。」
「なにそれ?かすみは金髪JKのくせにまじめだよね~。ギャップすご過ぎ。」
「はー!桃だって黒髪ロングで清楚な感じしてるくせに友達ヤンキーばっかじゃん。ギャップはお互い様でしょ。」
「はいはい二人とも喧嘩しないの。今日は練習きつかったから早く帰って休もうよ。」
といつもの通りの会話だ。桃とかすみがお互いにいじりあい、花火が止める。これがこの幼馴染3人が16年つつけている会話の流れだ。
「わかったよ、はやく帰ろうぜ。」
「えー、折れるのはやすぎなーい。」
「桃、課題も出てるでしょ。」
そんなこんなで帰った後に起きた事故だった。
目が覚めるとそこは白いカーテンの仕切りがあり、4つのベットの一つに花火は横になっていた。口には酸素吸入器がついており、ぽつんぽつんと点滴が落ちている。
「夢じゃなかったのか。」そう思い起き上がろうとしたときに花火は絶望した。それは、地獄の始まりであり、花火の人生を変える出来事が起こった日の話である。
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