蚕の夢

僕は蚕のように繭をかぶって

時空を進んでいる

一匹の虫です。


ここにはあらゆる時代の

生き物全ての歴史上の感情が、

光線のように細い糸になって飛び交っているのです。

僕は繭にくるまって眠りにふけりながら

すべての感情が繭を突き抜けて

心とシンクロしているのを感じています。


そうしてどうして僕たちが生まれてきたのか、

生き物というのは必要悪だったのか、

はたまた反対の存在なのかと

答えの出ない問いをいつまでも

ダイナミックな鼓動を伴う夢の中で考え続けています。


僕は一体誰なのでしょうか?


僕たちはなぜ生まれてきたのでしょうか?

感情というものを考えるとき、

どうしても疑問に思ってしまいます。


いくつかの螺旋状の世界があるというのに、

感情のある世界に生まれてきた僕たちを

繭にくるまれて考えている僕がいるのです。


ひとつの結論に辿り着きました。


――わたしたちすべての存在は、

  時代を作るために生きてきた。

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