放課後の教室

夕日が射している

だれかがこの教室で笑っていた

純粋無垢な笑いと 誰かが蔑まされた笑いと

冗談と じゃれあいと 暴力と

未熟な熱で沸騰したこの教室が

静けさを取り戻した

元の時空とモノだけが並んだ教室


 幻想のような 浮遊体のような

 みんなの肉体が

 すでにすぎてしまった時間を

 終演した劇を繰り返し行う


この部屋のように  みんなの肉体が

元の静けさを取り戻すのはいつだろう

やがて人生の曲がり角を

体験するのはいつのことだろう


放課後の教室の夕陽に

頬を寄せる

二十九歳のわたし

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