記憶のガラス
記憶のガラスを割った
何枚も何枚も割った
怒りにまかせて割った
割った後に寂しくなって
足下に転がった大きな欠片を
布にくるんで、上着のポケットにしまった
奈落の底のような暗闇に
無数に並ぶ 記憶のガラス
そこには風も吹いていて
僕の先には 暗闇だけ
僕の歩く両側に
新しく立つ 記憶のガラス
時々風が 強く吹くと
後ろの方から 記憶のガラスの
一斉に割れる音がする
振り返らず歩く僕に
進め 進め と
記憶のガラスの割れる音
進め 進め と
記憶のガラスの
音が言う
後ろから
記憶のガラスの
割れる音
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます