貞操逆転が読感を軽くしつつ中身はごん太の中世後期封建騎士物語

まさに逆タイトル詐欺という言葉がピッタリのごん太重厚作品。
現実では中世後期に現れた統制ゆるゆる神聖ローマ帝国時代と、その影響で生まれた面子と暴力の自力救済世界を見事に描いている。
しかも、それをただ詳細に描けば陰惨で重苦しくなってしまう所に貞操逆転という要素が読感に軽さを与えてくれ、単に歴史解説ではないIFの面白みも与えている。
また現実に適応し様々なしがらみに縛られつつも、突き抜けた武と誠実さで状況を切り開いていく主人公は男なら皆が憧れるタフガイであり、しっかり読者として応援したくなるヒーローになっていてカタルシスや爽快感もバッチリ。さらに貞操逆転設定は落差でそれを浮き彫りにしている。
厚く熱い物語が読みたい人にオススメ。