第49話「そして、本当の青春を~守るためにこそ戦う~」
あの戦いから三か月が経過した。
学園生活は順調だ。俺たちにキツクあたっていた生徒たちとも和解し今は普通に接することができるようになっている。
そして、師匠はカレキ委員長やミツミ家と協力して(ミツミ家にはかなり強引に協力させたみたいだが……)暗黒黎明窟と裏で組んでいた貴族を追い落とし、国をよりよい方向へ導きつつある。
「ほら、カナタ、クレープ屋に行きますわよ!」
「わわ、リリィちゃん待ってよぅ!」
「……クレープ、楽しみ……」
世界を滅亡させる役割を持っていたリリィとスズネ。次の世界の始祖になる予定だった俺とカナタ。そんな俺たち四人はいつも一緒に行動し学園生活を送っている。
放課後になればみんなでクレープ屋に行くのが楽しみだ。
そんなありふれた学園生活を送りながら――。
「……戦いは終わったんだな」
今さらながら、そう思う。
もちろん、いつどこでなにが起こるかわからないのだが世界だ。
スズネの中の爆滅のカウントダウンも定期的に戻さなければならない。
でも、それでも――今は平和を。そして、青春を。
彼女たちと送っている。
「ね、ヤナギくん、クレープはんぶんこしようね! プレアさん、新商品作ったんだって!」
「ああ」
カナタの笑顔を――好きな女の子の笑顔を守ることができた。
それだけで、俺が最前線で戦い続けてきた意味はあったのだと思う。
季節は巡る。
俺たちの青春は、まだ始まったばかりだった――。
(完)
英雄魔法剣士は師匠から『青春を送る』という任務を与えられボッチ美少女と学園ライフを送り世界を救う! 秋月一歩@埼玉大好き埼玉県民作家 @natsukiakiha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます