第42話

山中に、光と音で作り出された不思議空間。蒸し暑さの中に一陣の清々しい風も感じる。

混んではいるが来て良かった。

そう思った時、足元の灯籠がわりの竹筒を蹴飛ばした夫婦が消えた。

思わず歩を止めると、後ろの人がぶつかってくる。

「早く逝け」

目の前には、地獄の入口が口を開けていた。

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