第54話

「百年に一度だけ咲く花ですか」

「いや、そっちは萼」

「じゃあ蕾はどれですか?」

「いや、花はもう咲いたのだよ」

「じゃあ枯れた後ですか」

「いや、まだ咲き誇って居るよ」

「じゃあ花は見えないのですか?」

「いや、この花は寄生性でね」

老人は姿見を指差す。

「君が花になったのだよ」

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