衝撃! 神戸の地下では吸血鬼起源が研究されていた!!

 若き研修医の来栖龍人は、運命の導きにより地下にある奇妙な診療所を取り仕切る紫合鴉蘭教授の許で指示する事となった――秘匿された診療所にて研究されていたのは、医学・生物学・宗教学の常識を根底から覆すような、とんでもない内容だった。
 本作は神戸の地下で粛々と吸血鬼の起源を探る活動に、主人公たる来栖青年が巻き込まれる物語となっていますが、登場人物たちがことごとく魅力的に感じました。
「優秀な」精神科医として研修医の考えを読み取り、なおかつ悪魔的吸血鬼的な笑いがチャーミングな我らがマッドドクターの紫合鴉蘭教授。
 不運な因果に見舞われて吸血鬼と化したものの、作中で一、二を争うほどの常識人としてたたずむアハスエルス氏。
 若き青年として我々読者の側に近く、なおかつ軽妙な神戸弁にて作中の雰囲気を明るく和ませてくれる我らがヒーロー、来栖龍人。
 そして、そして紫合教授と来栖青年の前で1900年越しの生命の神秘をわが身を持って見せてくれたキーアニマル、紫合教授を驚愕させることに成功した天竺鼠君。
 この3名と1匹の物語は今後どのように展開していくのか。続きが実に楽しみです。

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