参考資料⑥

アルメイダネットニュース(2408年8月23日19時59分)

 「超過殺人の死刑囚、逃亡か」




 アゼミとカナクラで行われた戦争事業。そこで予定よりも多くの市民を殺したとして住所不定のハルヒサ・ミヤサカ死刑囚が先ほど死刑囚専用独房からいなくなっていることが分かった。


 定められた人数以上は殺してはならないという「戦争殺人の法則」を破り、延べ二百四十七人の命を奪った同死刑囚は戸籍にも登録ない無戸籍市民として刑の処遇が注目されるなか、死刑判決が言い渡された。


 しかし、8月23日19時ごろ、夕食を持ってきた刑務官が独房を覗いたところ、彼の姿がなかったと言う。独房には鍵がかかっており、そこを開けない限りは脱出することはできない。防犯カメラにも彼が脱獄する様子は映っていなかった。


 テリュタ司法長官は「脱獄の方法などは不明だが、大量殺人者が市内に逃亡している可能性がある。市民は極力外出を控えるように」と注意を呼びかけた。


 また、彼から押収した持ち物から銀色の懐中時計も無くなったことが分かっており、捜査当局は二つの事件の関連を調べている。

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六芒の儀式 名無之権兵衛 @nanashino0313

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