第7話「楓」
「いっせーので」
俺たちは元の世界に戻って門を開けようとした。腕時計を見ると時刻は昼の12時。お腹も空く時間だ。
「これよく考えたら楓の能力で行けるんじゃ無いの?」
とミーが言って全員顔を合わして言った。
『確かに、、、』
「でも定員は自分ともう1人よ」
皆んなはまた顔を顰めて考えた。
「じゃあ向こうから押せば?向こうからならさっきも開いたじゃん」
そして今度は誰が一緒に行くかで言い合った。結果1番筋力のある俺と言うことになった。そして顔を赤くしながら楓が言った。
「し、しっかり手を握ってよね」
何故照れる?
「お、おう」
そう言っててを繋ぎ外にテレポートした。外からは中の音が全く聞こえない。
「じゃ、じゃあ行くわよ」
2人で押すとさっきの重さが嘘の様に開いた。
「ヤッター外だーーー」
ミーがはしゃぎ回る。まるで散歩に連れて行ってもらった子犬の様だ。
「じゃあ早速食べ物探すか」
そうこのランク戦は食べ物も自分でとらなければならない。
「それじゃあミーと私が火を起こすから他のみんなで川の魚を取ってきて」
と雫が言って皆んなが同意した。と思ったがミーは魚を獲りたいらしく代わりに俺が火起こし係となった。
「たくさん取ってくるねーー」
そう言って魚取り係は旅立って行った。
「じゃあ薪を取りに行こうか」
そう言って森に行って薪を取りに行った。
火を起こすのには能力で付けた。
2時間が過ぎたが一向に帰ってくる気配がない
俺はとっくについた火の中に薪を継ぎ足して言った。
「遅いなぁーー」
「遅いね」
そんな会話をして何かあったのかと心配をした。その時だった。
「ズガガガガガッッ、ドカーン」
と言う銃声と爆破音が聞こえた。
俺と雫は目を合わせて頷いた。雫がスナイパーライフルのスコープで川下を除いた。
「皆んなが他の隊に狙われている!?」
そう言ったので俺は走り出した。雫はここからスナイパーライフルでの狙撃をすると言った。
「大丈夫か?」
俺は皆んなの元に駆け寄って現状を見た。
皆んな重傷こそ負ってないがかなりの苦戦を強いられている。
相手は能力でシールドっぽいものを使いスナイパーライフルの銃弾や矢を止めている相手は3人の男女で男がアサルトライフル、女の子が能力による金属操作が主な武器らしく守備は女の子がシールドを使っていた。どっちも引かず劣らずの攻防が続いた。
「封印解除」
俺はそう言って相手のシールドを叩き割ろうと崖の上にいる敵に近づいて刀を振った。だが「キィィィン」と高い金属音を立てて弾かれた。
「ダダダッダダダ」
その隙を狙われてアサルトライフルを撃たれる。銃弾が頬を掠める。
その時だった。
「ターーーーン」
と銃声が鳴ったかと思った瞬間相手は銃が狙撃され後方に吹き飛んだ。相手は素早く空中で掴もうとするが弓弦の弓矢が銃の引き金に引っかかり銃が木に打ち付けられた。「今だ!」と叫んで俺は再び地面を蹴り今度は相手の横の木に向かってジャンプしそのまま木を踏み台にしてシールドがない所から攻撃を仕掛けてシールド使いの女の子を狙った。だがもう1人が金属操作でビー玉クラスの大きさの鉄球を高速で投げ飛ばしてきた。そのうちの何発かが脇腹に当たった。
「どいてーーーー」
と大声でミーが叫んだ声が聞こえ俺は仲間達の所へ下がった。
ミーは何と小さな一軒家くらいの大きさの火球を作り相手の所へ猛スピードで飛ばした。それと共にこっちまで吹き飛びそうな爆風が押し寄せる。
実際ミーが力を使い過ぎたせいで気を失った飛ばされそうになった。俺はミーの後ろに行き体を支えた。
「終わったのか?」
弓弦がそう言った。それはもうフラグでしか無く数秒で回収されてしまった。
「う、嘘だろ、、」
それはとても信じれる物では無かった。立っていたのだ。彼女たちが、、、。
割れかけのシールドの後ろに3人の姿が見える。
まだやるのか?もうこっちもクタクタだ。と思ったが天の神は俺に微笑んだ。
(だが神と言ってもあくまで俺が今まで信じてきた方の神だ)
「降参、降参ギブアップするよ。結晶は全部やるよ」
と男の人が言って5つの結晶を投げ渡してきた。だが後ろの方で女の子達が
「頑張って集めたのにね、、、、」と残念そうにいう。ハッキリ言ってものすごく気まずかった。
「じゃあな」とだけ言って森の中に消えていった。
10分後
「美味しいなコレ」
と舌鼓を打ちながら取った魚を美味しくいただいた。
そのあとには特に出合わせることもほとんど無くやり過ごし、夜になり安全な所で野宿をした。
夜もさっきとおんなじ魚であった。いくら美味くても2回も一気に食えば飽きる物だ。だがそれ以外に食べれる鳥もほとんど合わなかった。
当番制で変わりながら見張りをする事となった。
2時ぐらいの時だった。まだ楓と交代して寝ようとした所で夜空を見ながら寝ようとしていた。
「ねぇ、起きてる?」
急に楓が話しかけて来た。
「あ、あぁ起きてるぞ。」
俺は一瞬戸惑いつつも応えた。何に戸惑ったかは自分でも分からない。
俺は起き上がって三角座りをしている楓の横に座った。
「いい夜だな」
俺は気まずい空気を和らげるために言った。
だが楓は夜空を見ながら泣いていた。
「ど、どうしたんだ?」俺は急に涙をこぼした楓を見て戸惑った。
「あの日、あの日もこんな夜だった。お母さんが皆んなが殺された日も」
その顔は最初あった頃の冷たい顔からは想像ができないほど美しかった。
「その日何があったんだ?」
と言ったが口を開いてから後悔した。何てデレカシーの無い言葉なんだ、、と。
「ごめん言いたく無かったら言わなくていいから」
だが楓は口を開いて喋り出した。
「私は4人家族で妹と親が2人いた。だけどあの日、あの時私達は突然現れた神に襲われ。私以外が殺されてしまった。私は押し入れの中に隠れてて大丈夫だった。けどあの時、皆んな一緒に隠れればよかったと後悔をし続けるの」
涙をこぼしながら話してくれた。俺は話す気はなかったが声に出ていた。
「きっと、きっと君の、楓の母さん達は君の事をいつまでも好きでいると思うよ」と。だが相手にとってこの言葉がどう伝わるかは分からなかった
ただ彼女は「ありがとう」と泣きながら少し救われた様な笑顔でいった。
「おやすみ」
「おやすみ」と言葉を交わして眠りに俺はついた。
ー
ある日、現れた神を葬る ルブブ @rububu
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