ウィットの極みを見たくはない? と、マックで女子高生が言ってた。

確かにな、と俺は思った。
そしてウィットという言葉が気になったのでネットで探してみた。
気が利いた文章や会話を紡ぎ出す才能らしい。
それから何度かマックで彼女に逢った。
逢ったというのは少し違うか。
俺が一方的に彼女を見ていたのだから。
だが右手に持つマウスのスクロールが終わろうとした時、彼女が初めて俺に声をかけてきてくれた。
「君は一度も私に話かけなかった」
当然だ、彼女の話が面白かったからだ。
俺は応えた。
「在り来りだが君の話はウィットに富んでいた」
それから他愛もない話を続けているとブラウザのスクロールバーは下端に達し、もう話を聞けなくなってしまった。
次にマックに行けるのはいつだろう。
どんな顔して彼女の正面の席に座ろう。
「久しぶり」
と、言ってくれるといいな。