始まりは、スパで何気なく湯に浸かりながら、
足の指をマッサージしていた時だった。
一本一本両手で指を揉む。
何かがおかしい。
足の「隙間」が五個ある……。
あれあれ計算が合わない。それだと、自分の足が六本あることになってしまう。
慌てて水面をみる。
足の指は五本。
落ち着いて、また「隙間」を数える……
やはり「隙間」が五個ある
只事ではないと感じた主人公は病院に行くことにするが、まず何科に行けばいいかわからない!
心療内科に行くが、医者から匙を投げられてしまい、行き着いた場所は広告で見つけた百万で治してくれる施設だった!
そこで、主人公は少女に「死」を告げられる……。
なんでしょうね……田中誠ですとか、三木聡監督作品がお好きな方は絶対ハマりますね。
これが王道な、「不条理」であり、その見本たる。と思います。
読みやすく、一万字越えの文章が苦ではありませんでした。
お勧めいたします!! ご一読を!
不思議系から始まり、不思議な場所へ行き、不思議な人と会い、不思議なことが起こる話です。
ええ。読後はこんな風に読者の語彙が奪われますw
出だしはちょっとしたテレビドラマ風だったのが、ニュースのあたりから急に映画を観ているような迫力になったのが驚きでした。
私のスマホ画面のスクロールと、ニュースの情報がリンクして、まさに今、自分があの世界の中にいてニュースを読んでいるのではないかと錯覚するくらいでした。
書き手のみなさんの中で、ついついいつものパターンで書いちゃうんだよなぁ、とマンネリな方がいたら、ぜひ読んでほしいです。
これくらいやっちゃってもいいんだと勇気づけられるかと思います。