文庫化、アニメ化、映画化、して欲しい。
(ような、自分だけが知ってる作品にしたいような心持ち)
私の嫌いな、あまたある「なろう系小説」「転生もの」に
カテゴライズされますが、この作品は砂漠中の一粒の砂金です。
ゲーム「Wizardry」は、「ウルティマ」等と同様
現在のRPGの原点として、自分をはじめ多くのファンがいます。
それだけに、皆が独自の審美眼を光らせていますが
この作品は素人の恥筆ではない、語彙力・文章力で描かれた
本格ファンタジーで、かつ若人が身悶える様な
可愛らしい恋愛描写もあり、幅広い層に楽しめる物語だと
最新話570話まで読んだ、自分は強く推奨します。
10話も読んでみてください。高揚感で、しばらく眠れない夜に・・・。
5月頃より、毎日、楽しませて頂いてる作品です。
80年代頃に大ヒットした、『地下迷宮ゲームの古典』ともいえる作品をイメージした世界観の小説ですが、作者様の文章の読ませ方、読み手の感情の揺さぶり方などが、とても素晴らしいです。
「次は、読み手をどんな風に楽しませようか~」という、サービス精神が伝わってきます。
表現の幅も広く、アクション、逃亡劇、ラブコメ、拠点の開拓など、とても楽しめます。
特に、2か所、多い時は3か所など、複数の戦いを同時進行で描き、こまめに場面を切り替えたりする「アクションの切り替えの上手さ」などは、『娯楽小説を書いてみたいけど、どうすればアクションが面白くなるだろう…』という方には、読んでみて損はない作品だと思います。
個人的には、美少女な主人公に惚れつつ、作者様の文章の楽しませ方を味わう~といった感じの作品です。
早く結ばれてチューすればいいのにっ(笑)
ウィザードリィやってなくても十分楽しませてくれます。
やってたら、ほんの少し、「なるほどね」とか「そうなるよね」って展開に微笑むくらいかなぁ?
なのでやってない方も是非読んでいただきたい。
初めて挑む迷宮で全滅したが自分だけが胡散臭い迷宮保険に入っていたために遺体を回収され蘇生されたエバ。
実は彼女たちパーティーは転移者であり、クラスメイトであった彼らを捨て置けず保険屋グレイ・アッシュロードに嘆願。
自らを売り、膨大な借金を抱えながらエバはグレイとともに再び迷宮へと潜る……
というのが第一部。
第二部も迷宮に潜りますが、第三部は迷宮と激突する、という話になるでしょうか。
特に第三部は一気呵成に物語の深淵まで突入するので、目見開き過ぎてドライアイ注意です。
ゲームをモチーフとしながら、そこに物語の骨子を丁寧に組み込んでいく技術。
そしてそれらを支える大樹のような文章力。
非常に繊細かつ緻密に計算された物語運びなのに、驚くほど頑丈で崩れない。
手に汗握る展開、キャラクターの一挙手一投足から目が離せません。
流行の異世界転移などの要素を持ってはいますが、この作品はおそらく今のWEB小説の主流からは外れるでしょう。
ただ、間違いなく言えるのは、指輪物語やファンタジー系の事典を貪るように読みあさっていた中学生の頃、私がこの作品に出会っていたら「ヤバいほどはまってた」ということです。
今でも毎日読んでいますが、おそらくその頃だったら4ヶ月か半年に一度出る文庫を、首を長くして待っていたでしょう。(WEBがない時代だったので!)
本文の中にも古典ファンタジーや、最近の作品などのネタが随所に盛り込まれ、いろんな作品を知っていればいるほどニヤリとできる内容になっています。
古典ファンタジー好きなら、読まないと損です。
ウィザードリーって知ってるかい?
昔、8ビットパソコンがヴイヴイ言わせてた時代に、俺たちのハートを鷲掴みにして、暗い暗い迷宮の奥底深くへ引きずり込んだ廃人量産型ハック&スラッシュなファンタジーRPGゲームだぜ。
そんなところに、現代の若者が放り込まれてみなって。
なめぷでお陀仏。
苔むした墓に直行さw
こいつはそんな昭和の香り漂う地下迷宮に片足つっこんで、過酷な運命に叩き込まれた、「聖女」なんて肩書をもらっちまった、まだまだひよっこのお嬢さんが、出会っちまったんだなあ~・・・
運命って奴によお~
そんな物語りさ。
ところがどっこい。恋にゃ波乱がつきものさ。
彼女の敵はモンスターばかりじゃなかったって話だ。
果てさて、とんだハーレム。恋のさや当て。めくりめくる冒険ラブファンタジー。
あんた、信じるかい?
ウィザードリィ風という事で、ゲームをやってないからと、読まないのは勿体ないです。私はウィザードリィは全く未履修ですが、楽しく読めております。手に汗握るような緊張感ある戦闘の他、敵から身を隠したり、迷路のようなダンジョンを彷徨ったり。ピンチの後のピンチ、その合間の、ほっとする会話のやり取り。
昔ながらの王道ファンタジー的な設定は、知っていた方がいいかなという気はしますが、アンデッドがどういうものか、エルフ等の種族がどういうものかという程度でいいかと。
最近のRPGはどれもおしゃれで綺麗な世界で、装備も装飾たっぷりのSSRがつくカードイラストみたいのを最初から纏っていますが、こちらの古き良き時代を彷彿とされる世界観は、まぁ、ちょっとみすぼらしくて薄汚い。暗さとか臭気とか、そういうのが、ままある感じで、飾り気がなく、それだけにリアル。湿ったダンジョンの苔の匂いとかもしてきそう。そのせいか一緒に冒険しているような気分すら味わえます。ただ凄惨なシーンもリアリティがあって、うぇっとなりそうだから、食事中に読むのはおすすめできないかも。もし食べられるなら、あなたもダンジョンに潜れる素養在り、という事で。
レベルやステータスが数字で出る点が、とてもゲームらしいですが、それがこの世界観では違和感がなく、あるのが自然にすら思えます。チート的なアイテムや、エバとアッシュロードの能力もありますが、それも物語を彩る要素の一つであって、ズルっぽくないです。
文体が読みやすいですし、TRPGのリプレイ感もあるので、そういう路線が好きな人は間違いなくハマるかと。
読み始めると止まらないので、まとまった時間を作ってぜひ。