あとがき

 皆さん、こんにちは。

 この度は『☆改稿版☆ メアリー探険記 〜雪の中に残された屋敷の秘密〜』をお読み下さり、ありがとうございます。

 作者としては、いくつか見どころのある作品に仕上げたつもりですが、いかがだったでしょうか。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

 折角なので、この作品ができた経緯などについて書いてみようと思います。興味のある方はよかったらお読みください。


 この作品は、2018年12月7日に公開した『メアリー探険記 ~雪の中の屋敷~』を加筆修正したものです。文字数で言うと約七千字増加しています。ただ、物語の流れなどはほとんど変えず、描写や場面を書き直したり増やしたりしました。そのため、当初からある少々無理矢理感がある設定(例えば仕事の現場に子供を連れて来る、といったこと)はそのままにしています。

 改稿する際に、その辺りの設定も考え直そうと思いましたが、それをしてしまうと登場人物たちが変わってしまい、物語が大きく変化してしまう。それは私が望んでいることではありませんでした。

 そのため「物語だからこそ出来ることをしよう」と思ったこと、そして「ちょっと無理矢理感があることをやってのけるところが『メアリー探険記』の良い所」だと思ったので、変更はしませんでした。


 ちなみに『メアリー探険記』の原案が出来上がったのは、今から約八年くらい前のことと記憶しています。

 元々は、出版社が主催する短編の新人賞に応募するために仕上げたものでした。応募する要件として二万字以内にまとめる必要があったため、今回完結したものより必然と文字数が少ないため内容が希薄です。また、私の力量も今よりも随分と幼かったので、今、当時のものを読んだとしたら、恥ずかしくて目も当てられないかもしれません(笑)

 それでも物語を書き始めてようやく完結できた作品だったのか、私の中で強い存在感を放っています。

 二年、いや三年でしょうか。それくらいの周期で、この作品は大幅な改稿をしています。自分でもよく飽きないなと思いますが、冬になるとメアリーたちのことを思い出してしまうのです。

 自分で言うのもなんですが、自身が作った作品が心の奥にあるというのは、物語を書くものとして凄く嬉しいことですし、誇らしいことだなと思います。

 沢山の人に読んでもらって楽しんでもらえたら、この上ない幸せですが、それ以前に自分の中で記憶に残る大切な作品として胸の内にあるというのは、重要なことのように思います。


 それから、メアリーの仕事である「無使用建築物探険家」は日本の空き家問題に着目して作りました。空き家は色々と問題が多いんですよね。住居不特定者の住処になっていて、衛生問題に発展していたり、メアリーたちが防ごうとしている犯罪者の拠点になってしまったりと、管理不行き届きによる問題があると知って、彼女の仕事が生まれました。

 そして日本の中だけだと派手に立ち回れないかなと想像し、海外に拠点を置いて活動させることにしました。それにより、色々な国籍の人たちがこの仕事に就くことになりましたね。


 ついでにメアリーとエドワードのことを話しておくと、私はこの二人がかなり気に入っています。メアリーは一人でも仕事は出来ますし、失敗も少ないです。それは出来るだけ無茶をしないようにしているわけなのですが、エドワードが傍にいると少し無理できるのだと思います。

 今回も、「自分ではおじいさんを助けられないけれど、エドワードだったらできるんじゃないか」と思ったり。

 エドワードはメアリーが出来ないことを実現してくれる可能性を秘めた人なんですねぇ。

 と、こんな感じでしょうか。他人事のように語っていますが、彼らのことは作者の私にも分からないところがあるので仕方ないです。多分、メアリーとエドワードはお互いに知ってるのに、私が気づいていないこともまだあると思いますよ(笑)


 『☆改稿版☆ メアリー探険記 〜雪の中に残された屋敷の秘密〜』はこれで終わりになりますが、私の中で彼らの物語が再び動くことがあれば、また小説として形にしたいと思います。するのかな?……(笑)

 

 随分と長く書いてしまいました。

 ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

 そして『☆改稿版☆ メアリー探険記 〜雪の中に残された屋敷の秘密〜』を読んで下さって、本当にありがとうございます!



 令和3年4月25日 悠栞

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【完結済】⭐︎改稿版⭐︎ メアリー探険記 〜雪の中に残された屋敷の秘密〜 彩霞 @Pleiades_Yuri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ