和気あいあいとした大学生の日常にも、どこか影を感じさせる瞬間がある

和気あいあいとした会話が、ほんの少し止まるだけで、各々の心が見え隠れしはじめる。
そういった描写が駆使されていいるがために、読者は喜怒哀楽を共有しつつ、好奇心も刺激される事となる。

若き青年たちの抱える苦悩の原点はどこに遡れば見えてくるのか。
苦悩を舞台装置ではなく、主題として扱っているため、青二才な悩み事でないのが本作の特徴だろう。