死霊喰(しれいぐい)
@uwm54213
第1話
「いいことなんてなにもなかったな」
浅河康太は泣きながら、超高層ビルの
屋上のへりに立っていた。
寒さと恐怖で体が震える。
「はやく楽にしてくれ〜ーッ!」
そう叫ぶと、浅河は目をつむり、神頼み
のポーズをして、105メートルしたにダイブ
した。
「なっ、なにをしている?!」
警官が浅河の死体に覆い被さってゴソゴソ
している少年の背中に向かって大声を出した。
振り向いた少年の口もとは血で真っ赤だった。
「オマエ、あたまがおかしいんじゃないのか?!
人肉なんてくいやがって」
刑事がアタマごなしに怒鳴った。
「ボクは霊魂を食べたんだ」
少年が無表情で小声を出した。
「精神鑑定に回したほうがよさそうだな」
刑事がそういったとき、少年が突然、倒れた。
「死んでる」
少年の脈をとった刑事が首を振った。
死霊喰(しれいぐい) @uwm54213
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