その美しい瞳はきらびやかにお菓子たちを映し出す

両親はおらず教会育ちの生粋の平民である少女カリーナ。彼女は今なぜか王弟殿下の側仕えになるよう、王弟殿下アルフレッドを目の前にして迫られている。

この縁を結んだのは彼女が作ったお菓子。それは寝食をも惜しむ仕事熱心なアルフレッドが興味を示したお菓子。

一平民が王弟殿下直々の願いを断れるわけもなく、晴れて(?)専属の側仕えになってしまうのです。

お菓子がメインのお話はどれも美味しそうで、お腹を刺激するいい薫りが漂ってきます。出てくるお菓子もバラエティーに富んでいて、甘いものだけでなく、ワインに合うもの、男性でも食べやすいように工夫が施されたりとアイディアに満ちたものばかり!
新しいお菓子を考えたり、作ったりするカリーナの姿がとても楽しそうで、読んでいると自分まで楽しくなってしまいます。

優雅なティータイムを中心に進む物語、色々な思惑もないわけではありませんが、ほのぼのと心にゆとりを持って読める本作、美味しい紅茶と共に読んでほしいです!