父の帰宅

 扉が開いた。

 少女が必死になって開けようとしていた扉だ。

 そこから男が入ってきた。

 少女が父だと思って従う男だ。

「今日もいい娘にしていたようだね」

 男は寝ている少女を眺めて、口の端を上げる。

 少女の四肢はやせ細っている。まともに食べていないのだろう。

「素直で無垢なまま一生を終えればいい。大切な隠し子だからな」

 男は少女の頭を軽くなでて微笑んだ。

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大切な扉 今晩葉ミチル @konmitiru123

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