概要
空の上で、遊ぼう。
人生の終わりに瀕した男が体験する、不思議な物語。
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- ★★★ Excellent!!!物悲しくも優しい、誰かの人生の報われる『ゴール』としての空
最期の時を迎え、空の中にひとり子供の頃の姿で佇む、とある男性のお話。
寂しくもふわりとした、暖かみのある物語です。ジャンルとしてはファンタジーですけれど、物語のいち類型としての空想というよりは、より普遍的な形で人の手によって紡がれてきた、いわば「祈り」としての空想を感じます。
柔らかくも優しい、空の上の世界。主人公を出迎えるのは早世した彼の息子に、そして病により先立ってしまった妻。大切な家族との再会を、生前のいろいろな思い出を交えながら綴ってゆく、その筆致の優しさと裏寂しさがとても印象的でした。美しい描写や情景の中に、でも確かにピンと張り詰めている寂寥感。
いわゆる死後の世界のような…続きを読む