俺の庭で動物たちが寝ているんだが。

@kokaja

第1話 誕生日。三匹の動物が庭に。

今日で20歳になる誕生日を迎えた。

俺の名前は田辺純一だ。


大学受験に失敗し高校を卒業と同時にここ。田舎村に引っ越した。

車で30分でスーパー、1時間でコンビニと言う田舎だ。


今日は誕生日。二十歳になったから無事にお酒を解禁した。

ついでに煙草も。


体に悪い?そんなことはどうでもいい。

今日この日のために30分もかけてスーパーに行き誕生日ケーキを注文し、

自分への誕生日プレゼントも買った。


指輪やネックレスにしようと思ったが考えていると悲しくなってきたので

普通にゲームのハードとソフトにした。


え?一人でそんなことしてんのかって?

そんなわけあるか

人は誘った

強制的に来いと言った

だが


「田辺先生それは無理ですよ。田辺先生の住んでるところ広島でしょ。

俺、東京っすよ?仕事もあるし」


と断れてしまった。


「まぁ回想よりもテレビ見ながら酒でも飲むか」


テレビをつけお笑い番組を見る。

最近だとナイスミドルにはまっている俺がいる。


「ガタガタッ」


後ろから物音が聞こえた。

何事かと思って後ろを見る。後ろは窓だ。

窓の外は庭になっていてよく風とかで自転車やらバイクやらが倒れていたりしている。


「また自転車が倒れたか」


そうつぶやくとカーテンを開け確認するが自転車は倒れていなかった。


「もしかして泥棒か?」


ここは田舎なのでよく泥棒が入る。

田舎というところで気が抜けているのか。鍵をつけない人が多い。


だが泥棒がこんな家に盗みに入るのか。

そう思うと違ったりしているのか。疑問に思う。


そしてもう一つの可能性は動物だ。


猿、鹿、狸、狐、兎、鼬、そして熊。

この可能性が一番高い。


「はぁ行くか」


玄関にある猟銃を手に持ちヘッドライトをつけ外を出る。

庭は石が敷き詰められているため良くが害獣が確認できる。

だが庭の先にある森は草が生い茂っているため注意が必要だ。


「そろそろ草刈った方がいいか。」


最近だろ池の周りにも草が生えてきているため景観があまりよくない。


「窓は...んー?狐、狸、兎かな?」


そこには弱った状態の狐、狸、兎がいた。


「うーん。とりあえず家に...いやそれだと汚れるし。外傷はないみたいだから体を洗うか」


とりあえず驚いて暴れた時のために籠に入れて移動する。


「けっこう汚れてんな。この三匹は確か冬眠はしないから冬場は大丈夫なはずなんだが迷ったのか?」


冬眠はしないがたまに食料を探しに外に出ることがある。

多分その帰りで迷って凍えて弱ったと。


まぁこの地域の気温は冬になるとマイナスは絶対に行く。


「俺もこうなったらお湯ためて浸かるか」


お湯をためて三匹と一緒に風呂に入る。

ちなみに三匹は溺れないように桶にぬるい感じのお湯を入れて浸からせている。


綺麗にする前は小汚かったが綺麗にしてみるとかわいく見えるもんだ。特に狸。

俺は良くたぬき顔と言う顔をしている女性が好きなんだがやはりかわいいな。狸は。


「きゅーん」


どうやら狐の方が起きたようだ。


「きゅ?きゅーん」


どうやら見知らない場所に戸惑っている。


「んーやはり動物は良いな」


そんなことを構わずに桶を体に寄せる。


「かわいいな。まぁ仕事の関係上飼えないが」


俺の仕事の都合上、月に一週間ぐらい家を空ける。


「まぁ隣の餓鬼に面倒みさせりゃ問題ないか」


俺の一軒隣の家には夫婦と一人の娘が居る。

そしてなぜかその娘になぜか懐かれている。


「きゅ~ん~」


狐が桶から飛び出して俺の胸に飛びついてきた。


「おーよしよし。そろそろ上がらないと逆上せるな。」


風呂から出てまず俺がタオルで水気を拭く。

そしてこの三匹をタオルで拭く。


「はいはい。慌てんな」


二匹はまだ意識を戻していないが狐は動きまくる。


「これでいいか。で、どこで寝かす。。いやまずこいつら夜に寝るのか?」


疑問に思い。寝る時間と飼い方を調べてみる。


「えぇ。狐は夜行性。狸も夜行性。兎は。。薄明薄暮性?なんだそれ。

なになに。明け方と夕方に活発に活動する?

つまり。くそ夜うるさくなるのか?」


それと飼い方についてだがゲージがいると。ないな。家に」


とりあえず対処として今日は段ボールで寝てもらうことにした。


「ん?どうした?」


電気を消そうとすると狐が寄ってきた。


「きゅーん」


何かを訴えかけているようだ。


「お?まさか一緒に寝たいのか?しゃあねぇな。糞だけはするなよ」


こうして一人寂しい誕生日を彼は三匹の動物たちと夜を過ごしたのであった。

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