ソシャゲ

登場人物


園田そのた──どこにでもいる地味顔のモブリーマン。でも、ちょっとずれてる。


蒲瀬かませ先輩──面倒見のいい園田の先輩。清掃業者のおじさんに缶コーヒーを渡している姿が目撃された。











ソノタ「……(タッ、タッタッ、スッ、タッタッ、スッ)」


カマセ「お前は……っ、仕事中にスマホをいじって……」


ソノタ「あっ先輩……っお願いです……これだけは……これだけは……っ」


カマセ「拝むなっ! ったく、なにやってんだよ、今度は」


ソノタ「プクモンです」


カマセ「はっ?」


ソノタ「『プクプク☆モンスター』略してプクモンです。知らないんですか?」


カマセ「……知らん」


ソノタ「……(タッタッ、スッ、スッ、タッタッ)」


カマセ「話を終えるなっ! そして仕事中に遊ぶなっ!」


ソノタ「あぁっ! すいません! でも、あとちょっとで……あとちょっとでようやくプクモンが僕になついてくれそうなんですっ」


カマセ「一体どういうゲームなんだ、それは……」


ソノタ「これですか? ……まぁ、簡単に言えば野生の荒々しいモンスターを捕まえて、とにかく餌を与えまくるゲームです」


カマセ「……楽しいのか? それ」


ソノタ「楽しいですよ! 最初は痩せていて攻撃的だったモンスターが、餌を与え続けることでだんだんプクプクと太っていって、体も性格も丸くなっていくんです」


カマセ「それでプクモンか」


ソノタ「はい。だけど、プクモンは放っておくとすぐ痩せちゃうんで、こまめな餌やりがどうしても必要なんです」


カマセ「はぁ……園田、ダメなもんはダメだ。お前も社会人なんだから、仕事と遊びのメリハリはしっかりつけろ」


ソノタ「うぅ……分かりました、すいません。あーあ、でも残念だなぁ……ここまで育てるのに一万もかかったのに」


カマセ「…………はっ? 一万?」


ソノタ「これ、餌やり一回につき100円の課金が必要なんですよ」


カマセ「お前それ、確実に養分になってるからっ!!」

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サラリーマン園田(そのた)の日常 布施鉱平 @husekouhei

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