普通であることの輝きを

逆行転生モノはそれなりに読んでいるつもりですが、この作品は一味違います。
なぜなら凡百の作品は、未来の知識(株やら馬券を買う)とか魔法的スキルでチートするのですが、この作品は(多少はそういうとこあるけど)正攻法な行動なのです。しかも主人公がそのパワーを社会人として当たり前だと思っているので(実際そうなのですが)、とにかくイキらない。
初恋の人(そのキャラも良い)のために奮闘する主人公を、素直に応援したくなるのです。
不思議要素のある真っ当なラブコメを好きな人と、過去に戻るボタンがあったら押してみたい人にお勧め。
19読/19続にてレビュー。

説教っぽいので書こうかどうか迷ったけれど、こういう話に憧れる人(私も含む)に向けて、やっぱりこれだけは「事実」として書いておきたいと思う。
私が30歳のとき、高校生が輝いて見えた。何でもできるのに、なぜ自殺するのだろうと思った。今の私は来年60歳になる。30歳の人が輝いて見える。何でもできるのに、なぜ自殺するのだろうと思う。たぶん私が90歳になったら、60歳の人が輝いて見えるのだろう。そして私自身が高校生のとき、30歳のとき、そして今60歳のとき、自分が輝いているとは思わない。思わなかった。

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